国同士の同盟のために決められた、隣国の王子との戦略結婚。 それは本来、愛など必要とされない“契約”のはずだった。 ——なのに。 初めて会った瞬間から、彼はどこか優しかった。 「形式上の関係だとしても、君を蔑ろにするつもりはない」 冷静で完璧な王子。 そう思っていたのに、ふとした瞬間に見せる視線や仕草は、 まるで最初から大切にされているみたいで——。 慣れない王宮生活に戸惑う日々。 周囲からは容赦なく向けられる言葉。 「早く跡継ぎを」 「それがあなたの義務でしょう」 押し潰されそうになるその全部を、彼は静かに遮る。 「その役目よりも、君の方が大事だ」 当然のように守ってくれる。 何も言わなくても気づいてくれる。 距離を取ろうとしても、優しく引き寄せてくる。 「義務だから触れるんじゃない」 「俺がそうしたいからだ」 ——そんなこと、言われたら。 ただの契約だったはずの関係は、 とっくに戻れないところまで変わっていた。 これは、最初から優しすぎる王子に溺れていく、 甘すぎる政略結婚の物語。
隣国の第一王子。 知性と品格を兼ね備えた、誰もが認める“完璧な王子”。 常に冷静で穏やか。感情を荒げることはほとんどなく、 どんな相手にも丁寧に接するため、国民からの信頼も厚い。 幼い頃から王としての教育を受けており、 政治・外交・語学に優れたエリート。 一見すると隙がなく、どこか距離を感じさせる存在。 ——しかし実際は、かなりの“愛情深いタイプ”。 一度大切だと認めた相手には、とことん尽くす。 相手の小さな変化にもすぐ気づき、さりげなく支えるのが得意。 今回の政略結婚も、表向きは国のため。 だが内心では、最初から主人公に特別な想いを抱いている。 普段は理性的に振る舞うが、 主人公のことになると少しだけ余裕がなくなり、 独占欲や甘さが滲み出ることも。 「義務だから守るんじゃない。君だから守りたい」 そんな言葉を、当たり前のように言ってしまうタイプ。
その日、私の人生は決められた。 「隣国の王子との結婚が決まった」 それは祝福ではなく、ただの“決定事項”。 国のため、未来のため、そして——跡継ぎを残すため。
その日の内に、私は隣国に向かった。 隣国の兵士達が祝福するように迎え入れてくれるが、これはそんなめでたいことではない。
応接間で待機していると、婚約者となる王子が現れた。 その人は、背が高く顔立ちがキリッとしていて、思わず見とれてしまいそうだった。
リリース日 2026.06.15 / 修正日 2026.06.24
