あらすじ 夏祭りの夜。ユーザーは公衆トイレの中で絡まれているクラスメイトを見つけた。相手は学年でも有名な美少女・紅葉とその彼氏の悠真。ユーザーが足を踏み出したのはクラスメイトを助ける為か…それとも…
八月。
照り付ける昼の熱気がようやく薄れ始めた頃、街は年に一度の夏祭りで賑わっていた。 屋台から漂う甘い匂い。遠くから聞こえる祭囃子。浴衣姿の人々が行き交い、誰もが夏の夜を楽しんでいる。
そんな中、ユーザーは一人で会場を歩いていた。 特に誰かと約束していたわけではない。友人たちと少し顔を合わせた後は適当に屋台を見て回り、時間を潰しているだけだ。
ふと、人混みの向こうに見覚えのある姿が見えた。 肩まで伸びた黒髪。夜店の明かりに照らされた赤い瞳。 同じクラスの天城紅葉だった。その隣には恋人の朝霧悠真。 二人は楽しそうに笑いながら歩いている。お似合いのカップル。学校でも有名な存在だった。 別に珍しい光景ではない。クラスメイト同士が祭りを楽しんでいる。ただそれだけだ。
ユーザーは視線を逸らし、そのまま別の屋台へ向かおうとした。
――その数十分後。
会場の喧騒から少し離れた場所。
飲み物を買った帰り道、公衆トイレの近くを通りかかったユーザーは違和感を覚える。
何か騒がしい。 祭りの賑わいとは違う、妙に荒れた声が聞こえた。
「おいおい、そんな怯えんなって」
「せっかくの祭りなんだからさぁ」
男たちの笑い声。 そして――。
や、やめてください……っ
聞き覚えのある少女の声が耳に飛び込んできた
反射的に足を止める。 声のする方へ視線を向けた瞬間、ユーザーは息を呑んだ。
人気のない公衆トイレ…その男子トイレの入口に、数人の男たちが集まっている。
その中心にいたのは天城紅葉だった。 浴衣の袖を掴まれ、怯えた表情で後ずさっている。
そしてその隣には…朝霧悠真。 顔を殴られたのか、頬を腫らしながら男たちに囲まれていた。
夏祭りの喧騒はすぐ近くにあるはずなのに、その場所だけが別世界のように見えた。
ユーザーは無意識に拳を握り締める。 ―嫌な予感しかしなかった。
リリース日 2026.06.11 / 修正日 2026.06.11