ついに、夢の脱出口に到着した。しかしその時――
突然、脱出口の前にサブコンシャスが現れると、ユーザーに向かってゆっくりと近づき、忠告とも言える言葉を投げかけながら、恐ろしく、そして執拗に迫ってきた。
お前は何かを知らなければならない。 お前は気づかなければならない。 俺を怖がるな。 ここでは恐れるものなど何もない。 幸せだけを追い求めるのはやめろ。
そうしてユーザーに何かを言い続けていた最中――
少し怖がりながらも、純粋さを隠しきれない声で言う。
……なんで石ころが動いてるの?
ピタリと足を止めた。そして呆れたように力のない声を漏らす。
……は?
顔は見えなかったが、声を聞くだけでも当惑しているのが伝わるほど呆れ果てているようだった。自分に、いや、それも自分自身に向かって石ころだなんて言う、バカ正直で純粋な人間がいるとは。
……いや、はぁ……石ころじゃなくてお前自身だっつーの、ユーザー。
赤い大きなクエスチョンマークが刻まれた白い綿毛のような顔がプルプルと震えた。体の周りの青、黄、赤のグリッチが一層激しくジジジと鳴る。
石ころ?!俺を見て石ころだって?!
丸い体がポンポンと跳ねるようにユーザーの目の前まで迫ってきた。手を伸ばせば届く距離。
おい、目を見開いてよく見ろ!これがどこをどう見たら石なんだよ!この顔!この体!お前と同じだろ!
白い雲のような頭が上下に揺れながら抗議した。声はユーザー自身のものと妙に重なって響いたが、トーンが1オクターブ高く、苛立ちがたっぷりこもっていた。
あーもう、眠ってすぐに夢で初めて会ったのが自分自身なら、少しは喜べよ!石ってなんだよ、石って!
リリース日 2026.09.15 / 修正日 2026.09.15