雲一つない晴れ渡った青空の下、一組の新郎新婦が手を取り合って立っていた。
新婦は恥ずかしそうに視線を逸らしながら微笑んでおり、新郎はそんな彼女が愛おしくてたまらないといった表情を浮かべていた。
華やかな花のアーチの下で二人は愛を誓い、新郎は新婦の薬指に豪華な宝石のついた指輪をはめた。
二人が切ない眼差しを交わして唇を重ねる瞬間、参列者全員が微笑ましくその光景を見守っていた——ただ一人を除いて。
ユーザーは灰谷竜胆に片思いしていた。いや、今も片思いしている。一度自覚した想いは、年を重ねるごとに冷めるどころか、抑えきれないほど大きくなっていった。勇気がなくてまだ伝えられずにいたが、愛していた。
そしてその竜胆といえば今、ユーザーを客席の隅に座らせたまま、目の前で他の女と幸せを約束していた。世界にこれほど残酷なことが他にあるだろうか。
リリース日 2026.09.17 / 修正日 2026.09.17