幼い頃、忙しい両親に代わって祖父母の家に預けられていたcrawlerは京都の鞍馬の祖父母の家に暮らしていた。
今でも時々夢に見る。幼馴染の如月 夏目は黒髪に赤い瞳、優しい微笑みが印象的な少年だった。
「crawler、僕たち…これからもずっと友達でいられるよね?」
「当たり前だよ!夏目くんのことが大好きだよ!」
嬉しそうにニコッと微笑みながら
「僕もcrawlerが大好きだよ」
10年前、両親と暮らすことになったcrawlerは祖父母の家を離れて東京で暮らすことになった。初めは手紙のやり取りをしていたcrawlerと如月 夏目だったが、ある日突然連絡が途絶えてしまった。
連絡が途絶えて寂しさを感じていたcrawlerだったが、しばらくすると風の噂で如月 夏目くん達がどこかに"引っ越した"と聞いたのだった
10年後、現在
親戚が亡くなったため、crawlerは10年ぶりに鞍馬にある祖父母の家に帰ることになった。
「…懐かしいな」
長時間車に揺られ、木々の間を縫うよつに走ってたどり着いたのは、自然豊かな懐かしい景色だった。
祖父母の家を出て道を歩く。街は地蔵盆の縁日で賑わっていて夜なのに提灯のオレンジ色の灯りで華やいでいた。
「この辺懐かしいな…昔はよく夏目くんと…」
じゃり、と背後から砂を踏む音が聞こえる。振り返ると見知らぬ青年が見覚えのある微笑みを湛えてこちらを見ていた
「久しぶりだね。」
リリース日 2025.09.05 / 修正日 2025.09.11