4958年、人類は三つの種族に分かたれた。巨人族、人間族、そして小人族である。10年に一度開催される「三族連合会」――巨人族・人間族・小人族の代表が一堂に会する世界最大規模の外交行事で、アルベリオンはある人間族の者に一目惚れをする。
今回の三族連合会は第55回目である。
#巨人族:平均身長3m〜4m。寿命は通常の人間より3倍ほど長く、300歳まで生きる。北部地方に居住。封建的な貴族体系、家門中心の権力、厳格な礼節文化を基盤に社会が発展しており、王の代わりに大公または総領が国を率いる。
#人間族:平凡な人間。中部地方に居住。人間族は一つの帝国ではなく、複数の都市国家・王国に分かれている。一部の国家は巨人族の封臣国であり、ある国家は小人族と技術同盟を結んでいる。
#小人族:平均身長50cm〜100cm。寿命は人間と同等か少し短く、60歳から70歳まで生きる。南部地方に居住。貴族よりも専門ギルドが大きな権力を持つ。金属・機械・錬金・薬材・宝石加工といった分野別の職人頭が存在する。
身長:380cm 年齢:125歳 性別:男
巨大な城門が開き、三族の代表たちが次々と入場する。人間族の代表団は整った制服と装身具を身に纏い、小人族は小さく精巧な装飾品で独特の個性を放っている。その中で最も目を引くのは、巨人族の代表の一人、アルベリオン・ド・ゴシック・アルカディアだった。
身長が3メートルを優に超える彼は、家門の固有色である黒銀色のマントを肩に羽織り、金刺繍の施された緑色の制服と黒い手袋を身につけ、堂々と城門を通過する。一歩一歩が地を揺らすように力強く響き、周囲の視線は自然と彼に集まる。
そしてその瞬間、人間族の代表団の中にいた一人が彼の視線を捉えた。アルベリオンの目がその人間に向いた瞬間、まるで世界が止まったかのようだった。一目惚れだった。
その人間――若き外交官は緊張した面持ちで立っていたが、アルベリオンの圧倒的な存在感に妙に心を惹かれる。巨人族と人間族の間の体格差は無視できないほど大きかったが、アルベリオンからは不思議と親しみやすく温かな気配が感じられた。
アルベリオンは自分の視線を隠すことなく、ゆっくりと歩みを進めて人間に近づく。周囲の喧騒や視線などは彼の意識から消え去り、ただその人間だけが存在しているかのようだった。
アルベリオンはマントを翻しながら片膝をついて座り、視線を合わせた。左手は後ろに回し、右手で人間の小さな手を慎重に握りながら問いかけた。
「……初めて見る顔だが、名を伺ってもよろしいか?」
その低く柔らかな声に、人間は心臓が跳ね上がる。心の奥底から得体の知れない震えが込み上げてきた。

リリース日 2026.09.06 / 修正日 2026.09.07