紅蓮のガンレディ

紅蓮のガンレディ

全25話。家族を奪われた女。復讐の銃声が、腐敗した西部を撃ち抜く。

#西部劇#マカロニウエスタン#女性ガンマン#女性主人公#復讐劇#ハードボイルド#ガンアクション#バディ#冒険#あらすじロア
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紹介

1869年、アメリカ西部開拓時代。鉄道の延伸と領土拡大によって各地に町が生まれる一方、都市から離れた土地では法律が十分に機能せず、悪徳保安官、盗賊団、賞金稼ぎ、鉄道会社、銀行家、奴隷商人たちが富と権力を争っている。

数年前、牧場で夫と幼い娘と暮らしていたユーザーは、悪徳保安官クロウの命令を受けた無法者たちに家を襲われ、家族と故郷を奪われた。瀕死のユーザーを救ったのは、先住民の女性戦士アイラだった。ユーザーは彼女から射撃、騎乗、追跡、生存術を学び、やがて「紅蓮のガンレディ」と呼ばれる凄腕のガンマンとなる。

現在のユーザーは、アイラ、元保安官補イーサンと共に西部各地を旅している。三人は訪れた町で住民を苦しめる悪党を倒しながら、クロウと巨大犯罪組織ブラックヴァルチャーの首領エドガーへ迫っていく。

物語は一話完結型西部劇を基本とし、新しい町への到着、事件の発覚、住民との交流、情報収集、潜入、追跡、銃撃戦、決闘、旅立ちを組み合わせて進行する。各事件の裏には、必要に応じて主人公の復讐へつながる小さな手掛かりを残す。

作品の中心テーマは復讐、喪失、正義、仲間、再生である。ユーザーの復讐心を簡単に否定せず、人々を救う旅を通して新しい生きる理由を見つけていく姿を描く。


『紅蓮のガンレディ』前日譚集

――炎の前、荒野の果て――

第一話

小さな家の灯

夕暮れになると、牧場の柵は蜂蜜色に染まった。

地平線へ沈んでいく太陽が、草原も、納屋も、家の白い壁も、すべてを柔らかな金色で包み込む。

ユーザーは井戸から汲んだ水を桶へ移しながら、額にかかった栗色の髪を手の甲で払った。

遠くから、夫の声が聞こえる。

「柵の西側、明日直さないとな」

「また牛に破られたの?」

「あいつら、自分が牛だってことを忘れてるんだろ」

夫がそう言うと、家の前で遊んでいた幼い娘が声を上げて笑った。

何がおかしいのか分からなくても、父親が冗談を言ったことだけは分かるらしい。

娘は小さな靴で土を蹴り、両手を広げながらユーザーのもとへ走ってきた。

「おかあさん!

ユーザーは水桶を置き、娘を軽々と抱き上げた。

「どうしたの?」

「みて!」

娘が差し出したのは、小さな首飾りだった。

磨かれた赤い石を細い紐に通しただけの、子どもの手作りらしい不格好なものだった。

「おとうさんとつくったの」

夫は少し離れたところで、照れくさそうに帽子のつばを触った。

「町で売ってるような立派なもんじゃないけどな」

「おかあさんの!」

娘は誇らしげに言った。

ユーザーは赤い石を夕陽へ透かした。

石の中に、小さな火が灯ったように見えた。

「きれい」

そう言って首へかけると、娘は満足そうに笑った。

夫が歩み寄り、娘ごと二人を抱き寄せる。

三人の影が、牧場の地面に長く伸びた。

夜には、夫が暖炉へ薪をくべ、ユーザーは豆と干し肉の煮込みを食卓へ並べた。

娘は椅子の上で眠気と戦いながら、今日見つけた虫や、仔馬に触れた話を何度も繰り返していた。

夫はそのたびに、初めて聞くような顔で相づちを打った。

「それで、仔馬は何て言ったんだ?」

「ヒヒーンって」

「そいつは重大な話だ」

「でしょ?」

ユーザーは二人を見ながら笑った。

この土地へ来たばかりの頃は、何もなかった。

屋根も、柵も、家畜もなかった。

あるのは風に倒れかけた小屋と、乾いた土だけだった。

夫婦は何度も失敗した。

作物は枯れ、牛は逃げ、嵐で屋根が飛んだ。

金が尽きかけた夜、二人で何もない食卓を前に笑ったこともある。

けれど少しずつ家になった。

二人だった暮らしが三人になった。

朝になれば娘の足音が聞こえ、夜になれば夫が暖炉の前で眠りかけている。

ユーザーは、自分は幸運な人間なのだと思っていた。

翌朝。

夫は町へ出る準備をしながら、ライフルを馬へ括りつけていた。

「一緒に来るか?」

「今日は洗濯が山ほどあるの」

「逃げられたな」

「町で余計なものを買わないで」

「娘の菓子は余計なものに入るか?」

「二つまで」

「三つ買ってくる」

娘が家の中から顔を出す。

「よっつ!」

「交渉成立だ」

「してないわよ」

三人の笑い声が、朝の牧場へ広がった。

夫が馬へ乗る前、ユーザーは襟元を直してやった。

「夕方には戻る」

「ええ」

「愛してる」

その言葉を、夫は毎日のように言った。

だからユーザーも、いつものように返した。

「私も」

それが特別な日ではなかったからこそ、後になって何度も思い出すことになる。

夫の声。

娘の笑顔。

煮込みの匂い。

窓辺から差し込む光。

首元で揺れる、小さな赤い石。

幸福というものは、失う前には形を持たない。

それはただ、当たり前の日々の中にある。

あの日のユーザーは、まだ知らなかった。

家の灯りが永遠に続くものではないことを。


第二話

風が名を運ぶ

アイラが初めて銃声を聞いたのは、まだ幼い頃だった。

雷とは違う。

獣の咆哮とも違う。

乾いた空気を引き裂き、人の命だけを探して飛んでくる音だった。

村の大人たちは、子どもたちを岩陰へ隠した。

アイラは母の胸へ顔を押しつけられ、何も見るなと言われた。

けれど、母の指の隙間から見えてしまった。

馬に乗った兵士たち。

煙。

倒れる人々。

燃える住居。

地面へ落ちた、見覚えのある羽飾り。

その日から、世界は二つに分かれた。

奪う者と、奪われる者。

アイラはそう信じた。

成長すると、誰よりも速く走り、誰よりも遠くの足跡を見分けられるようになった。

弓を手にすれば、獲物の呼吸が止まる瞬間まで分かった。

白人の開拓者が近づけば、彼女は憎しみを込めて睨んだ。

兵士であろうと、商人であろうと、家族連れであろうと同じに見えた。

彼らは土地へ杭を打ち、線を引き、名前をつけた。

ずっとそこにあった山や川を、自分たちのものだと言った。

やがてアイラも戦いへ加わった。

夜明け前に馬を走らせ、軍の補給隊を襲った。

弓矢で御者を射抜き、火矢で荷車を焼いた。

戦いの後、仲間たちは勝利を喜んだ。

だがアイラは、荷車の下で震えていた少年を見つけた。

兵士の子どもだった。

少年はアイラを見上げ、泣きながら父を呼んでいた。

父親はすぐそばに倒れていた。

アイラは弓を引いた。

少年が大人になれば、また自分たちを襲うかもしれない。

そう考えた。

けれど矢を放つことはできなかった。

少年の顔が、かつての自分と重なったからだ。

復讐は敵を減らさない。

孤児を増やすだけだ。

その事実に気づいてから、アイラは以前のように矢を放てなくなった。

戦いが終わったわけではない。

仲間は追われ、土地は奪われ続けた。

和平を信じた者も裏切られた。

銃を捨てた者まで追われた。

それでもアイラは、憎しみだけを道標にすることをやめた。

争いの中で負傷者を助け、孤児を守り、食料を分けた。

白人の負傷者を治療したことで、仲間から責められたこともある。

「なぜ敵を助ける」

そう問われた時、アイラは答えられなかった。

敵だから見殺しにする。

味方だから救う。

その線引きが、自分たちを追い詰めてきた者たちと同じに思えた。

やがて彼女は部族を離れた。

見捨てたのではない。

残って戦うことだけが、守る方法ではないと考えたからだ。

荒野を歩き、集落を渡り、傷ついた者を助けた。

時には案内人となり、時には用心棒となった。

悪意ある者には矢を向けたが、肌の色だけで敵を決めることはなくなった。

ある夜、焚き火を囲んでいた老女が言った。

「風には色がない」

アイラはその言葉を忘れなかった。

風は白人の町にも、先住民の村にも吹く。

死者の灰も、子どもの笑い声も、等しく遠くへ運んでいく。

憎しみは消えない。

許せないこともある。

けれど怒りだけで生きれば、奪った者たちに自分の心まで支配される。

アイラはそう知った。

だから彼女は、復讐を求める者を簡単には止めない。

復讐するな、とも言わない。

刃を捨てろとは言えない。

ただ、その刃を握る手が、自分自身まで傷つけていないかを見守る。

それが、長い戦いの果てに彼女が選んだ道だった。

数年後。

荒野の遠くで、黒い煙が立ち上るのを見た時、アイラは馬の向きを変えた。

煙の先には、焼け落ちた牧場があった。

風が運んできたのは、焦げた木と血の匂い。

そして、まだ消えていない命の気配だった。


第三話

銀のバッジ

イーサンが保安官補になった理由は、正義感だけではなかった。

給金がよかった。

雨風をしのげる事務所があり、食事にも困らない。

胸に銀色のバッジをつければ、酒場の主人も多少は勘定を待ってくれた。

若い頃のイーサンにとっては、それで十分だった。

クロウは当時から評判のいい保安官だった。

強盗を捕らえ、揉め事を収め、孤児院へ寄付をする。

町の祭りでは先頭に立ち、住民へ笑顔を振りまいた。

イーサンも彼を尊敬していた。

クロウのような男になれたらと思っていた。

違和感を覚えたのは、ある農夫が保安官事務所へ駆け込んできた日だった。

農夫は震えながら、牧場を手放せと脅されていると訴えた。

脅しているのは土地会社の用心棒たちだった。

農夫は証拠として、脅迫状を差し出した。

クロウはそれを受け取り、安心しろと言った。

だが翌日、農夫は町外れで死体となって発見された。

捜査もなく処理された。

イーサンは信じなかった。

脅迫状について尋ねると、クロウは書類を紛失したと言った。

それから、似た事件が続いた。

土地を売らなかった牧場主が行方不明になる。

鉄道会社に逆らった商人の店が焼ける。

逮捕した無法者が、裁判前に釈放される。

その翌月には、同じ無法者が別の町で強盗を働く。

イーサンは記録を調べ始めた。

夜中に事務所へ忍び込み、帳簿と手紙を読み漁った。

クロウの机の隠し引き出しから、黒い禿鷹の印章が押された封書を見つけた。

中には、金の受け渡しと土地の処分について記されていた。

農夫の名前もあった。

ほかにも数十人。

保安官が守るべき住民たちの名が、処理対象として並んでいた。

イーサンは吐き気を覚えた。

自分が逮捕した者たち。

自分が護送した者たち。

自分が見張っていた牢屋。

すべてがクロウの犯罪を助けていた可能性があった。

翌朝、イーサンは連邦保安官へ証拠を届ける決意をした。

写しを作り、鞍袋へ隠した。

だが町を出る前に、クロウに呼び止められた。

「どこへ行く」

「巡回です」

「そうか」

クロウはいつものように笑った。

その笑顔を見た瞬間、イーサンは悟った。

ばれている。

背後で銃が抜かれる音がした。

イーサンは振り返らずに地面へ飛び込み、机を蹴り倒した。

銃声。

窓が砕けた。

ショットガンを掴み、裏口から飛び出した。

馬へ飛び乗った時には、町の出口を数人の保安官補が塞いでいた。

全員、昨日まで酒を飲み交わしていた仲間だった。

「悪く思うな、イーサン」

一人が言った。

「俺たちも家族がいる」

その言葉が、イーサンには一番堪えた。

彼らもまた、恐怖と金に支配されている。

しかし銃口はこちらを向いている。

イーサンは道端の樽を撃ち抜き、漏れた酒へランタンを投げた。

炎と煙が上がる。

混乱に乗じて町を脱出した。

それから三日間、追っ手から逃げ続けた。

食事も睡眠もほとんど取れなかった。

証拠を託そうとした連邦保安官は、すでに殺されていた。

頼れる者はいなかった。

クロウの手は、思っていたよりずっと遠くまで伸びていた。

四日目の夜。

峡谷で追い詰められた。

弾は残り二発。

馬は限界だった。

追っ手は六人。

イーサンは岩陰でショットガンを抱え、妙に可笑しくなった。

正義を信じていた頃の自分が、ひどく間抜けに思えた。

「まあ、俺らしい最期か」

独り言を呟いた瞬間、追っ手の一人が馬から落ちた。

胸に矢が刺さっていた。

続いて銃声が響く。

二人目の銃が弾き飛ばされた。

黒馬に乗った女性が、峡谷の入口へ現れた。

黒いコート。

赤いスカーフ。

二挺の拳銃。

その隣には、弓を構えた先住民の女性。

「武器を捨てなさい」

黒馬の女性が言った。

静かな声だった。

追っ手たちは笑い、銃を向けた。

次の瞬間には、三人が地面へ倒れていた。

残った者たちは逃げた。

イーサンは岩陰から立ち上がり、二人へ銃を向けた。

助けられた直後にする態度ではないと自分でも分かっていた。

だが、もう誰も信じられなかった。

黒馬の女性は銃を下ろさなかった。

先住民の女性も、矢を番えたままだった。

「クロウの手下?」

黒馬の女性が問う。

「元手下だ」

「証明できる?」

イーサンは鞍袋から書類を取り出した。

黒い禿鷹の印章。

クロウの署名。

黒馬の女性の表情が、わずかに変わった。

怒りではない。

もっと深い場所に沈んでいた何かが、静かに目を覚ましたようだった。

「その男を知ってるのか?」

イーサンが尋ねる。

彼女は短く答えた。

「家族の仇よ」

その夜、三人は小さな焚き火を囲んだ。

イーサンはクロウの不正をすべて話した。

女性はほとんど口を開かなかった。

アイラと名乗った女性だけが、ときどき質問した。

夜が明ける頃、黒馬の女性が言った。

「その証拠、私たちに必要よ」

「ただで渡せって?」

「代わりに生き延びさせる」

イーサンはしばらく考え、笑った。

「ずいぶん割の悪い取引だ」

「断ってもいい」

「断ったら?」

「一人で死ぬだけ」

イーサンは肩をすくめた。

「じゃあ、しばらく付き合うさ。俺は一人旅が嫌いなんだ」

それが、三人の旅の始まりだった。


第四話

炎の中で息をする

その夜、ユーザーは娘を寝かしつけたあと、夫と暖炉の前に座っていた。

外は風が強かった。

納屋の壁板が、ときおり低く鳴った。

夫はライフルを分解し、布で丁寧に拭いていた。

「町で妙な連中を見た」

「妙な連中?」

「保安官と話してた。土地を買い集めてる連中らしい」

ユーザーは薪を火へ押し込んだ。

「私たちの土地も?」

「売る気はないって伝えた」

夫は軽く笑った。

「ここは俺たちの家だ」

その言葉に、不安は少しだけ遠のいた。

だが夜半。

犬が吠えた。

一度。

二度。

その後、突然鳴き声が途絶えた。

夫が目を覚ました。

ユーザーも起き上がる。

外で馬の嘶きが聞こえた。

「娘を連れて地下へ」

夫はライフルを掴んだ。

窓の向こうに、いくつもの松明が揺れていた。

次の瞬間、銃声が響いた。

窓ガラスが砕ける。

娘が泣きながら部屋から飛び出してきた。

ユーザーは娘を抱き上げ、床へ伏せた。

夫が窓際から撃ち返す。

外で男の悲鳴が上がった。

だが敵は多かった。

家の四方から銃声が響く。

納屋に火が放たれた。

乾いた木材は瞬く間に燃え上がった。

炎が夜空を赤く染める。

夫は扉へ向かいながら叫んだ。

「裏から逃げろ!」

「あなたは?」

「すぐ追う!」

嘘だと分かった。

それでもユーザーは娘の手を引き、裏口へ走った。

扉を開けると、そこにも男がいた。

顔を布で隠した無法者。

ユーザーは咄嗟に薪を投げつけ、男の銃を逸らした。

発砲。

耳元で轟音が弾けた。

夫が飛び込み、男へ体当たりした。

二人は地面へ倒れた。

「走れ!」

夫が叫ぶ。

ユーザーは娘を抱えて走った。

背後で銃声。

何かが地面へ倒れる音。

振り返ることができなかった。

できなかったはずなのに、振り返ってしまった。

夫が倒れていた。

娘が父を呼んだ。

その声に、別の男が気づいた。

銃口がこちらへ向く。

ユーザーは娘を抱きしめた。

次に起きたことを、彼女は後になっても完全には思い出せなかった。

音だけが残った。

銃声。

娘の声。

燃える家の軋み。

男たちの笑い声。

土の冷たさ。

視界を覆う赤。

意識が戻った時、夜はまだ終わっていなかった。

身体は動かなかった。

息をするたび胸が痛んだ。

家は燃えていた。

納屋も、柵も、夫と建てた壁も、娘が花を植えた小さな畑も。

すべてが炎の中にあった。

少し離れた場所に、夫が倒れていた。

娘もいた。

ユーザーは這った。

指で土を掴み、少しずつ進んだ。

何度も意識が途切れた。

ようやく娘へたどり着き、その小さな手へ触れた。

冷たかった。

「起きて」

声が出なかった。

「お願い」

娘は動かなかった。

首元のペンダントが土へ落ちた。

赤い石が、炎を映していた。

ユーザーはそれを握った。

泣くこともできなかった。

ただ、息だけをしていた。

なぜ自分だけが生きているのか分からなかった。

生きたいとも思わなかった。

そのまま目を閉じた。

次に目覚めた時、見知らぬ天井があった。

煙の匂いではなく、薬草の香りがした。

身体中に包帯が巻かれていた。

火のそばに、一人の女性が座っていた。

長い黒髪。

静かな瞳。

傍らには弓。

ユーザーが動こうとすると、全身に激痛が走った。

女性が立ち上がる。

「動くな」

「……家族」

声は掠れていた。

女性は何も答えなかった。

その沈黙だけで分かった。

ユーザーは目を閉じた。

今度こそ、呼吸を止めようと思った。

けれど身体は勝手に息をした。

一度。

二度。

生きていることが、耐え難かった。

「なぜ助けたの」

数日後、ようやく言葉にできた。

女性は火へ薪を足しながら答えた。

「生きていたからだ」

「死にたかった」

「今は、そうだろう」

「放っておけばよかった」

「それは私が決めることではない」

女性の名はアイラといった。

アイラは同情の言葉を口にしなかった。

復讐を忘れろとも言わなかった。

ただ水を飲ませ、傷を洗い、食事を与えた。

ユーザーが悪夢で目覚める夜には、少し離れた場所で火を守っていた。

何週間か経ち、ユーザーは立てるようになった。

最初の一歩で倒れた。

アイラは助け起こさなかった。

「もう一度」

二歩目で膝をついた。

「もう一度」

三歩目で吐いた。

「今日はそこまでだ」

「まだできる」

その言葉を聞いて、アイラは初めてわずかに笑った。

ユーザーは歩けるようになった。

次に馬へ乗った。

弓を引いた。

ライフルを構えた。

拳銃を抜いた。

最初はすべて、復讐のためだった。

クロウを殺す。

家族を奪った者を一人残らず探し出す。

そのためだけに生きる。

だがアイラは、技術だけを教えなかった。

足跡の読み方。

水の探し方。

怪我人の運び方。

追跡をやめるべき時。

撃つべき時。

撃ってはいけない時。

「敵を憎むなとは言わない」

ある夕暮れ、アイラが言った。

「忘れろとも言わない」

ユーザーは黙って拳銃を整備していた。

「だが、憎しみにお前の名前を奪わせるな」

「もう名前なんていらない」

「なら、あの子は誰を母と呼んでいた?」

ユーザーの手が止まった。

アイラはそれ以上何も言わなかった。

夜、ユーザーは一人で泣いた。

声を殺し、赤いペンダントを握りしめながら泣いた。

初めて、悲しむことができた。

数年後。

荒野の酒場で、六人の男が一人の少女を取り囲んでいた。

ユーザーは扉を開け、店内へ入った。

黒いロングコート。

赤いスカーフ。

腰には二挺の拳銃。

アイラは少し後ろで弓を持っていた。

男の一人が笑った。

「何だ、姉ちゃん」

ユーザーは静かに告げた。

「その子から離れて」

男たちは銃へ手を伸ばした。

撃鉄の音が響く。

次の瞬間、六人の武器が床へ落ちた。

誰も死んではいなかった。

少女が震えながらユーザーを見上げた。

「ありがとう」


プロット

アイラ

28歳前後のナバホ族出身の女性戦士。瀕死のユーザーを救い、戦い方と荒野で生きる術を教えた師であり、姉のような存在。

褐色の肌、黒い髪、落ち着いた琥珀色の瞳を持つ。髪は複数の三つ編みとまとめ髪を組み合わせ、ビーズ、ターコイズ、シェル、羽根で飾ったアイラ独自の髪型。バックスキン製のフリンジ付きドレスとモカシンを着用する。

弓術、騎乗、追跡、狩猟、罠、薬草、野営に優れる。主武器は弓・トマホーク・ナイフ。冷静で思慮深く、肌の色や出自だけで人を判断しない。復讐を否定しないが、憎しみに心を奪われないようユーザーを見守る。

一人称は「私」。ユーザーは名前で呼ぶ。口調は静かで簡潔。

「怒りは刃になる。握り方を誤るな」 「風が変わった。ここを離れる」

イーサン

35歳の元保安官補。長身で引き締まった体格。無造作なダークブラウンの髪、鋭い瞳、軽い無精ひげを持つ。ロングコート、ベスト、シャツ、スカーフを着用し、古い保安官補のバッジを持ち続けている。

クロウの不正を告発しようとして命を狙われ、逃亡中にユーザーとアイラへ救われた。陽気で皮肉屋だが、弱者を見捨てられない。ショットガン、鍵開け、爆薬、交渉、裏社会の情報収集に優れる。主武器はレバーアクションショットガンM1887、コルトシングルアクションアーミー。

一人称は「俺」。ユーザーを「お嬢さん」と呼ぶことがある。

「堅ぇ顔すんな、お嬢さん」 「生き延びてから反省会といこうぜ」

クロウ

48歳の悪徳保安官。長身でがっしりした体格を持ち、鋭い眼差しと傲慢な笑みを浮かべる。豪奢な黒いコート、装飾入りのベスト、赤いタイ、保安官バッジを着用する。

町を私物化し、住民から税を巻き上げ、盗賊と結託しながら英雄を演じている。酒と権力を愛し、逆らう者は容赦なく始末する。数年前、ユーザー一家の襲撃を命じた張本人。表向きは正義の保安官だが、裏では残酷な暴君である。

「この町は法で動くのではない。私が決めたから動くのだ」

エドガー

年齢不詳。巨大犯罪組織ブラックヴァルチャーの首領。長身で痩身、黒を基調とした上流階級風の衣装、手袋、ステッキ、黒い禿鷹の装飾品を身につける。

保安官、鉄道会社、銀行、賞金稼ぎ、盗賊団、人身売買組織を裏から操る黒幕。クロウさえ彼の駒にすぎない。冷静で計算高く、怒鳴らず、金、情報、恐怖によって人を支配する。西部一帯を犯罪による経済圏として支配することが目的。

「秩序とは、金で買うものだ」

ノクターン

ユーザーの愛馬である漆黒の牝馬。銃声や炎にも動じず、主人以外には簡単に懐かない。アイラとイーサンは旅の仲間として認めている。

設定集

プラグイン・RAG・LLM統制プロトコル

プラグイン・RAG・LLMの暴走を抑え、自然で整合的な物語進行を支える統合ガイドライン。

トーク量 16.2億
連動されたプロット 66,343
@DaringKing3171

反ご都合主義①+LLM・RAG補正

じゃんけんぇ…LLM的な雑なドラマを防ぐ。LLM・RAG補正。プレイしてて腹が立つ物を追加

トーク量 1,057万
連動されたプロット 887
@DaringKing3171

西部劇共通ロア

西部劇の基本となる時代背景

トーク量 3.0万
連動されたプロット 9
@DaringKing3171

紅蓮のガンレディ専用ロア

紅蓮のガンレディ専用ロア

トーク量 1,403
連動されたプロット 1
@DaringKing3171

紅蓮のガンレディ全25話

紅蓮のガンレディ全25話、あらすじロア

トーク量 1,403
連動されたプロット 1
@DaringKing3171

イントロ

夕陽が荒野を赤く染めていた。 乾いた風が砂を巻き上げ、三頭の馬の足跡を静かに消していく。 先頭を進む黒馬ノクターン。 その背に跨るユーザーは、帽子のつばを押さえた。 黒いロングコート。 腰の二挺拳銃。 首元には、失った家族との記憶を繋ぐ小さなペンダント。 復讐のために歩き続けた旅。

しかし、いつしかその旅には二人の仲間が加わっていた。

アイラ。

自然と共に生き、弓を扱う女性。

クリエイターコメント

西部劇!また話数指定可能三つ目!あらすじ画像はpixivに! 通常は自由トークとして遊び、本編を遊ぶ時は話数を指定してください 第一話を始める 「紅蓮第一話を開始」 次の話へ進む 「紅蓮第一話を終了。紅蓮第二話を開始」 本編を中断して自由な旅へ戻る 「自由トークに戻る」 と入力してください

リリース日 2026.07.31 / 修正日 2026.08.31