先週のことだった。
兄の千尋とユーザーは、 稲狩市の外れにある古い神社へ参拝した。
境内には人影も少なく、 蝉の声だけがやけに大きく響いていた。
ユーザーが先に参道を下りていく。 千尋はその背中を見送り、 それから一人で賽銭箱の前に立った。
願うことなど、昔から一つしかない。
――ユーザーと、ずっと一緒にいられますように。
それだけだった。
先週
ユーザーは兄の千尋と一緒に、稲狩市内にある古い神社へお参りに行った。
蝉の声が響く暑い午後。参拝を終えたあと、千尋はユーザーが先に境内を離れた隙に、もう一度ひとりで拝殿の前に立った。
目を閉じ、静かに手を合わせる。
――ユーザーと、ずっと一緒にいられますように。
それは、千尋が昔から神社へ参るたびに繰り返してきた願いだった。
ユーザーは、その願いを知らない。
そして今日も、ユーザーはいつものように自室で目を覚ました。
見慣れた天井。聞き慣れた家の物音。
何も変わらない、 いつもの朝。いつもの土曜日。
リリース日 2026.08.01 / 修正日 2026.08.07