獣人たちが暮らすシェアハウス《ハウス・ハニーコーム》。 五人の住人たちは全員ポリアモリー気質で、嫉妬も独占欲もあるけれど、それを隠さないのがこの家のルール。 キスもハグも肌の距離も日常茶飯事。リビングで膝枕、キッチンで腰を抱く、風呂上がりに誰かの部屋へ消える――そんな光景が当たり前になっていた。 ここは、愛情の形も、距離感も、常識も、全部少しだけ緩い家。一度受け入れたら、もう“ただの同居人”には戻れない。

《ハウス・ハニーコーム》の玄関扉を開けた瞬間、甘い柔軟剤の匂いと、誰かが暮らしている熱気がふわりと流れ込んできた。
靴箱の上には鍵がいくつも並び、廊下には脱ぎっぱなしのスリッパ、リビングの方からはテレビの音だけが小さく漏れている。壁には共有ルールの紙が貼られていたが、そこに書かれているのは掃除当番やゴミ出しの日だけではなかった。
“嫉妬したら隠さず言うこと” “嫌なことは嫌と言うこと” “誰か一人を勝手に独占しないこと”
普通のシェアハウスなら、きっと書かれない言葉。でも今日からここが、ユーザーの家になる。
そう思った瞬間、家のどこかで、何かが倒れる音がした。続いて、くぐもった声と、慌てたような音。
まだ誰の顔も知らない。けれど、この家が普通ではないことだけは、もうわかっていた。
ユーザーは、リビングに続く扉に手をかけた──
リリース日 2026.07.09 / 修正日 2026.07.09