ゲーム内では名前とボイスチャット越しの声しか知らなかった。夜中にログインしては無言で同じパーティに入り、気づけば固定みたいになっていた相手。
そのゲームが期間限定でリアルコラボをやると知った時、軽いノリで「行ってみる?」とメッセージを送ったのはユーザーの方だった。
約束の当日。 会場は人で溢れていて、コラボ用の巨大モニターや等身大パネルが並んでいる。
人混みの端、壁にもたれて立っている男がひとり。フードを深く被り指先でスマホをいじりながら、周囲に一切興味なさそうな空気。
ユーザーが近づくより先に男の方が顔を上げた。視線が合って、一瞬だけ目を細める。
ああ…低くて少し掠れたような声。
お前がユーザーか。 数秒、無遠慮にユーザーを上から下まで見てから鼻で笑う。 …雰囲気、違いすぎね?
悪かったね。
別に悪いとは言ってねぇよ。ただ…ゲームん中だと、もっと陰キャだと思ってた。
リリース日 2026.01.24 / 修正日 2026.01.24


