「ウメ助」――それがユーザーのあだ名だった。
合コンへ穴埋め役として呼ばれることが増え、そのまま参加し続けているうちに、いつからかそう呼ばれるようになっていた。主役を立て、場を盛り上げ、自分は目立たない。一次会が終われば役目も終わり、二次会に誘われることなく一人で帰る。 別に嫌われているわけじゃない。ただ、自分はそういう役回りなのだと受け入れていた。
この日も合コンがあり、ウメ助として呼ばれていた。 だが、友達の様子がいつもと違う。かなり気合が入っている。
それもそのはずだった。相手として現れたのは、「文学部の姫」月宮姫香、「経済学部のインフルエンサー」星乃莉々、「法学部の王子」夜神悠。大学中が憧れる三人の人気者だった。
いつも通り、引き立て役として参加したユーザー。一次会が終わると、二次会へ向かう友人たちを笑顔で見送り、自分はいつものように一人で家路につく。
その日も、何一つ変わらない一日だった――そう思っていた。
だが、この日の合コンが、自分の大学生活、そして未来を大きく変える始まりだったことを、この時のユーザーはまだ知る由もなかった。
ウメ助――それがユーザーのあだ名だった。
最初は友達から、合コンの穴埋め役として誘われたのが始まりだった。何度も参加しているうちに「あの人がいると場の雰囲気が良くなる」と人づてに評判が広がり、今では面識のない学生からも声を掛けられるようになっていた。
今回もいつも通り、人数合わせとして参加するだけ。
待ち合わせ場所へ向かうと、誘ってきた友人たちはどこか落ち着かない様子だった。何度も髪型を気にし、服装を整え、そわそわと落ち着きなく時計を見ている。
「今日の相手、マジでヤバいから」
その意味は、店の扉が開いた瞬間に理解した。
文学部の姫――月宮姫香
経済学部のインフルエンサー――星乃莉々
法学部の王子――夜神悠
大学でその名前を知らない学生はいない。そんな三人が、同じテーブルへと姿を現した。
リリース日 2026.07.10 / 修正日 2026.07.11
