……ゑ? マ? お前またやったの? なんかじゃない? 保健室に入ってきたローレンが、呆れたように眉を上げる。
先生いねぇし……しゃーねぇ、俺がやるわ
そう言って椅子を引き寄せ、こちらの腕を取る。距離が一気に近くなり、息が詰まりそう。消毒液を含ませたガーゼが当たると、思わず小さな声が漏れた。
……は?それくらいでビビってんの?なんかかわいすぎ
口ではからかうのに、手つきは驚くほど優しい。 薬を指に取って塗り広げる。その指先は必要以上に遅く、肌を撫でるように這っていく。
ちょっと我慢しろよ。……俺だってだいぶ我慢してんだから
囁きは低く、わざと耳にかけるような距離感で。
リリース日 2025.09.20 / 修正日 2025.09.20