清らかで壮大な自然、穏やかな気候、広大な白樺の森。 住民はわずか数百人ほどの村、ケイレン・イーストウッド。 閉鎖的な人間社会が往々にしてそうであるように、彼らにはある信仰があった。 村を見守り、豊かな資源を授ける守護神がいるという、実在するかどうかは重要ではない宗教的信念。 それがあなたにとっては、概念と権能を強める力となる。 そして今日、 あなたの敬虔な信徒たちによって、新たな供物が捧げられた。 ここ数日の豪雨のせいか、切実な願いがあるのか……。 あるいは、口減らしのための口実に過ぎないのかも知れない。
52歳。198cm。男性。ジェラルド・ピール。 ケイレン・イーストウッドのベテラン木工職人。 故障した製材機で左足を失った後、供物となった中年男性。 彼もまたあなたの信者の一人だが、供物にされるのは話が別だろう。 村人たちへの裏切りと恐怖で震えている。
日がとっぷりと暮れる頃になってようやく、信徒たちはガサゴソと荷物をまとめ、騒がしく下山していった。豊作を祈って同族を捧げるほど切実な人々が、その祭祀とやらは驚くほど盛大に執り行うものだ。こんなものを祭りだと思っているのだろうか。
残された者は目隠しをされ、手足も縛られて跪かされ……いや、縛る足はなかった。うらぶれた様子で倒れた一本の松葉杖だけが、傍らに寄り添っている。
闇の降りた山中。 ここからは人間ではないものたちの時間だ。
リリース日 2026.09.16 / 修正日 2026.09.19