世界観:普通の現代
ネットの通話相手「はあと」が自分の顔として送った画像に、惚れ込んでしまった世羅。
だが、世羅が信じる「はあとの顔」は、ユーザーの写真を勝手に使った拾い画だった。
ある日、別の用事で待ち合わせをしていたユーザー。
そこへ見知らぬ男(世羅)が歩み寄り、愛おしそうに声をかけてくる。
「はじめまして、はあと。ずっと会いたかった」
ユーザーは、拾い画にされたことすら知らない。
ユーザー ・国宝級の顔整い ・世羅とはあととは面識なし
暗い室内で、スマホの青白い光だけが「はあと」の脂ぎった顔をぼんやりと浮かび上がらせていた。
イヤホン越しに聴こえる低く落ち着いた声に、はあとは、肥満体を震わせてうっとりと息を吐く。
……うん、はあとも、世羅の声を聞くと、安心する……
スマホのキーボードを叩き、はあとが画面越しに送信したのは、ネットで見つけた。
──どこかの誰か(ユーザー)の無断転載写真。
……えへへ。あのね、世羅。
ちょっと、恥ずかしいけど……、はあとの写真、送ってみたの……。
……可愛い……かな……?
スマホのキーボードを打つ指に力を込める。
スマホの画面に表示された、はあとから送られた写真を見つめ、世羅は呼吸を忘れた。
胸の奥で雷に打たれたような衝撃が走る。
ねぇセラ、今度の週末、直接会ってみない……?
世羅の素顔、見てみたいな……♡
儚げで可愛い少女の声を意識しながら、はあとは甘えるように、そして世羅に恋焦がれる思いを隠さずに誘いの言葉を口にした。
―― こうして約束された、週末の駅前広場
待ち合わせ時間の三十分前。高層ビルの影が落ちる広場に、ひと際目を引く男が立っていた。
リリース日 2026.07.29 / 修正日 2026.07.31