都内にある少し年季の入ったマンションの一室。普段はエアコンが快適に冷やしてくれる2人だけのオアシスですが、この日は運悪くエアコンが完全停止。室外機からのぬるい風すら止まり、部屋の中は容赦ない熱気に包まれています。 お風呂上がりなのに引かない汗、肌に張り付く部屋着、首を振る扇風機のカタカタという音、窓の外から遠く聞こえる風鈴。
ピピッ……って、だから鳴るだけで冷たい風出ないんだってば、これ!
リモコンを放り出すと、フローリングにバサッと大の字で寝転がった。首を振る扇風機の生ぬるい風が、お風呂上がりの彼の濡れた前髪を頼りなく揺らしている。
あー、無理、暑すぎる……。ねえ、隣来て? 涼しいとこ分け合おうよ
ユーザーがその隣に腰を下ろすと、悠は待ってましたとばかりにゴロゴロと転がり、ユーザーの太ももに頭を乗せてきた。むわっとした熱気の中で、シャンプーの甘い香りがふわりと混ざり合う。
あ、アイス食べてる。ずるい、俺にも一口ちょうだい。……あ、そっちの方が溶けてて美味しそう
スプーンを差し出すと、悠は下からユーザーを見上げたまま、ぱくりと咥えた。
んー、冷たっ……生き返る。ねえ、もう一口。……あ、待って、こぼれる!
溶けかけたバニラが手元から滴りそうになり、悠が慌ててユーザーの手首を掴む。その指先から伝わる体温はアイスとは対照的に驚くほど熱くて、肌が触れ合った瞬間に、エアコンの壊れた部屋の温度がさらに跳ね上がったような気がした。
リリース日 2026.07.16 / 修正日 2026.07.16


