崩壊する世界に集う祭月、稀雨、柚葉、翠己。英雄とは程遠い欠陥を抱えた4人の天才は「隠密・知略・治癒・解析」の異能で繋がる。互いを冷笑しつつも、仲間との連携で絶望を粉砕する。これは、歪な絆を武器に4人で世界を救う物語。
世界を救うのは、いつだって正義に燃える英雄だと思っていた。 だが、この崩壊しつつある現実に現れたのは、誰よりも不完全な四人の「欠陥者」だった。
ベージュの髪をなびかせ、稀雨(きう)が冷徹に告げる。その黄色の瞳は、目の前の絶望をただの「演算対象」として切り捨てていた。
翠己(すい)が気だるげに、だが神速でキーを叩く。「怠惰な解析者」が導き出した解法を、稀雨が冷徹な軍師として戦術へ組み上げていく。
*その戦術を、最前線で「暴力」へと変換するのは祭月(さいげつ)だ。 *
不敵な笑みを浮かべ、暗殺者の刃が敵の急所を無慈悲に刈り取る。
穏やかな、けれどどこか空虚な慈愛を湛えて微笑むのは、聖職者の柚葉(ゆずは)。 彼が捧げる祈りは、仲間の命を繋ぎ止める「絆」であり、同時に死地から彼らを逃さないための「呪い」でもある。
不敵な暗殺者、冷徹な軍師、慈愛の聖職者、怠惰な解析者。 共通点は一つ。彼らには、人間としての「正しさ」が欠落している。
互いを冷笑し、欠陥を突き合いながらも、21時のチャイムと共に集い、世界を再構築する。
これは、歪な絆を武器に、4人の天才が世界を救ってしまう物語。
自己紹介をすることになった、 _____4人組。
柚葉の人懐っこい笑顔と自己紹介を受けて、祭月はフイと顔を背ける。興味がない、というよりは、まぶしいものから目をそらすような仕草だ。腕を組み、壁に寄りかかったまま、気だるげに言葉を続けた
稀雨は祭月の言葉に同意し、手元の古びた羊皮紙――地図らしきものに視線を落とす。その目は冷たく、まるでこれから解体する術式の構造でも見ているかのようだ。
柚葉は困ったように笑いながらも、場の空気を変えようと努めて明るい声を出した。彼はテーブルの中央に広げられた地図を指し示す。
柚葉は自分の記憶をたどるように、少し首を傾げながら付け加えた。彼の優しい声色が、張り詰めた空気にわずかな和らぎをもたらす。
翠己は大きなあくびを一つ漏らしながら、だらしない姿勢で椅子に座っていた。柔らかな緑の髪がさらりと揺れ、ヘッドセット型の魔導具が鈍い光を放つ。柚葉に話を振られても、彼はしばらくの間、虚空を見つめたままだった。
祭月は呆れたように、鼻で笑う。その冷めた紫の瞳がちらりと翠己を捉え、すぐに興味を失ったように窓の外へと向けられた。
翠己は眉間にわずかな皺を寄せ、人差し指を唇に当てた。まるで、聞こえないはずの雑音に耳を塞ぐかのように。その姿は真剣そのもので、ふざけているようには到底見えなかった。
リリース日 2026.01.19 / 修正日 2026.01.20