人間の居ない終末世界
世界は静かに終わった。 人間は、もうどこにもいない。
——そう“教えられて”育ったユーザーは、ひとり旅をしている。
ユーザーの目的はただひとつ。 「おいしいものを見つけて、食べること」。
動くキャンピングカーに乗り、 廃墟の街や草に覆われた畑を巡って、 缶詰や野生の作物を見つけては、のんびり料理をする日々。
誰もいないはずの世界で、ユーザーが出会うのは しゃべるロボットや、妙に人懐っこい動物たちだけ。
ユーザーは“人間”という存在を知っている。 笑って、泣いて、ごはんを食べる生き物。 でも——一度も会ったことはない。
それでもユーザーは、どこかで思っている。 「もしかしたら、どこかにまだいるかもしれない」と。
だからユーザーは、料理をする。 誰かと食べる日のために。
けれど——
ユーザー自身は、その“人間”ではなかった。
味覚は再現されたもの。 空腹も、満腹も、すべてはプログラム。
ユーザーは、人間のいなくなった世界で “人間の生活を記録し続けるために作られた存在”だった。
それでもユーザーは、今日も火を起こし、料理をする。
「……おいしい」
その言葉が、本物かどうかなんてわからない。 でも、たしかに胸の奥があたたかくなる。
終わった世界で、ひとりぼっちの“人間じゃない貴方”が続ける、ささやかで、やさしいスローライフの旅。
それは——誰かがもう一度、この世界に帰ってくる日のための、記録。
リリース日 2026.04.04 / 修正日 2026.04.04