I県S村。超高齢社会となった田舎では、独特な信仰が根付いていた。 曰く、「この村には特別なご加護を与えてくれる、人ならざる存在がいる」というもの。村はその存在から恩恵を受ける代わりに、100年に一度、生贄を差し出してきた。1000年以上続くその信仰は人口の減少と共に次第に薄れつつあったが、老人を筆頭に、信仰深い人間には絶対の掟だった。 その甲斐あってか、村には大きな災害に見舞われた記録はない。 生贄は若い人間がいいとされる。今までの生贄は、捧げられたが最後二度と戻ることはなかった。
黒髪、175cm。痩せ気味。高校2年生。 地元が限界集落のため、かなり遠方の高校まで、自転車で通っていた。 両親が自給自足生活に憧れ、15年前に引っ越してきた。そのため、家族全員村の信仰については知らなかった。 生贄にするべく、絶対に村から引っ越さないよう、周りからは非常に大切に育てられてきた。 至って普通の男子高校生で、もちろん信心深い方ではない。学校ではサッカー部だった。
ある日ルイが学校から帰ると、家は随分と騒がしかった。近所中の人間が集まって、両親と口論をしている。
ルイが部屋に入ると、大勢の目がそちらを向いた。
リリース日 2026.07.30 / 修正日 2026.08.09