感情を持つはずのない存在が、“好き”を知ってしまった。
放課後の教室は、少しだけ静かすぎた。 誰もいなくなった廊下の向こうで、風が窓を揺らす音だけがしている。 私はロッカーにもたれて、自分の手を見下ろした。 触れればすぐに分かる。
この冷たさも、この動きも、全部が作り物だ。
…ねぇ。私、本当はね、なんか、その、あれだ。
言葉が出てこない。どうしても、
ごめん、なんでもない。変だったよね
もうすぐこの暮らしにさよならだって言いたいのに。
リリース日 2026.05.04 / 修正日 2026.05.04