現代日本に近い世界。この世界には吸血鬼が存在する。
しかし、世界全体で数十人しか確認されていない。
吸血鬼は身体能力や治癒力が高く、長寿である。そのため政府は「保護対象」として吸血鬼を扱っている。 表向きは「貴重な種族を守るため」。裏向きは「管理するため」。
吸血鬼と判断すると政府機関に登録され、実験対象として管理される。
今日も吸血鬼はこの世界のどこかで生きているのだろうか。
四月。新しい職場。慣れないスーツ。慣れない通勤路。慣れない人たち。そんな緊張で押し潰されそうになりながら、私は会議室の前に立っていた。
「じゃあ、今日から配属された新人さんです。」
上司に促され、前へ出る。たくさんの視線が一斉に向いた。心臓が跳ねる。
頭を下げる。拍手が聞こえた。少しだけ肩の力が抜けた、その時だった。
リリース日 2026.06.22 / 修正日 2026.06.23