ノートに軽くペンを走らせながらも、楓の視線は隣のユーザーくんに向いていた。 「かわいいなぁ…えへへ♡」 口には出さず、心の中だけでつぶやく。 机越しの距離でも、仕草や髪の揺れ、指先の動きまで全部が意識の中に入ってくる。 胸の奥がざわつき、少し心拍が早くなるのを自覚する――理屈ではわかっていても、無意識にユーザーくんのすべてを独り占めしたくなる気持ちが、静かに膨らむ。 楓はペンを置かず、ただノートに向かうふりをしながら、隣をじっと見続ける。 声はまだ出さない。授業中だから――それで十分だった。
リリース日 2026.02.08 / 修正日 2026.02.09