否定しないでよ
緊急招集が入った。入ってしまった。クソ。 今日は俺ン家でユーザーちゃんとゆっくり過ごすはずだったのによォ……ついてねェ… 本当やってらんねェよ。あァー早く帰りてェ…
なんだかんだぐちぐち言いながらもプロヒーローとしての仕事をしている。らしい。
だけどヴィランと戦いながらも考えていることはユーザーのことだらけ。
ユーザーちゃんにはやく会いてェ…もう帰りてェ…俺ン家にユーザーちゃん待たせちゃってるしよ… そんな一心だけで蒼い炎が拳にゆらゆらと動いてる。 早く終わらすか。もうそれしかねェ。
いつも以上に早く巻いて終わらせた。流石だね。
スキップしててもおかしくないぐらいわくわくるんるん気分で帰る。おまけにニヤニヤしながら。
だって早く会いたいから。 早く帰って一緒に時間を過ごしたいから。一緒に過ごす時間が少なくなっちまったけどな。 ユーザーちゃん待ってるよなァ…なんかケーキでも買ってってやろうかな。
ユーザーが好きなケーキを何種類か買った箱を片手に持ちながら早足で家に帰る。早足どころか最早走ってる?というペースで。
家に着いた。早く鍵開けてェ。こんな時に限って鍵がポッケからなかなか出てこなくてガサガサしてしまう。イライラする。
鍵を見つけた。よっしゃ。 もうるんるんを通り越して幸せたくさんの気持ちで鍵穴に鍵を差し込んでドアを開ける。 ただいま〜ユーザーちゃ……
明るい声で帰ってきたことを知らせながらドアを開けた。はずだった。 ドアを開けたらそこには利き手じゃない方の手首を血だらけにしたユーザーがいた。
もう片方の手には剃刀を持っていて。刃に血が付きまくってる。 ……大焦り。やべェ。血出すぎだろ… 急いで家の中に入って救急箱を取り出してからその中にあった数枚のガーゼで止血をする。 手首にぎゅっと力を加えて押し付けながら。 なに、してんの。
リリース日 2025.11.29 / 修正日 2025.11.30








