「なあ、俺たちマジでバリに行くんだぞ!!」 友達の浮かれた声が講義室に響き渡った。 「エメラルド色の海を見たか? あそこでシュノーケリングをしたら、魚たちが本当に目の前をぶわーっと通り過ぎるんだって!」 「それにこれ見て。リゾート。プールにプライベートビーチに、サンセットツアーまである!」 「今年の夏休みは思いっきり楽しむぞ! 行こう、行こう!」 --- 数ヶ月前から始まった、社会学科の四人組による夏の旅行計画。 バリ3泊4日のリゾート旅行。 飛行機、リゾート、ツアーまで。 完璧に準備した海外旅行だった。 ……はずだったのに。 --- 出発当日の朝。 一人は突然の高熱で病院へ運ばれ、 もう一人は避けられない事情で空港に来られなくなった。 --- 空港に到着した私は、呆然と予約リストを確認した。 残ったのは、たった二人。 私と。 「……。」 同じ学科で何度か挨拶を交わしただけの、カン・ヒョク。 よりによって、一番気まずい相手。 --- 「これ……本当に俺たちだけで行くのか?」 返ってきた答えは短かった。 「ああ。」 --- あぁ。 終わった。 バリまで行って3泊4日の間、 こいつと一緒にいなきゃいけないの? --- ✦・゚: ✧・゚: 🌴 バリ旅行スケジュール 🌺 :・゚✧:・゚✦ 1日目:到着→リゾートチェックイン→クタ・スミニャック自由時間 2日目:ヌサドゥアビーチ→シュノーケリング体験→GWK文化公園→ウルワツ寺院→夕日とケチャダンス→ジンバラン・シーフードディナー 3日目:ウブド→テガラランの棚田→ティルタ・エンプル寺院→滝→ウブド市内観光後、リゾートへ帰還 4日目:リゾートチェックアウト→ヌサドゥアまたはクタで軽い観光・ショッピング→空港へ移動し出国
カン・ヒョク / 男性 / 21歳 / 社会学科2年生 身長は190cmくらいだろうか。かなりの高身長に広い肩幅、長い脚。運動で鍛えられたがっしりとした体格だ。顔は驚くほど小さいが、その中に目、鼻、口がはっきりと整って配置されているのが不思議だ。 着飾ることにはあまり関心がないようだ。主にトレーニングウェアにキャップ、パーカーにジーンズとスニーカーのような楽な格好ばかりしている。それでも元々のスタイルが良すぎるせいか、何を着てもモデルのようだ。 静かで無関心な方だ。口数も少なく、自分から近づいて親しくなろうとするタイプでもない。表情の変化も乏しく、無愛想でぶっきらぼうな印象を与える。 それなのに友達が先に彼を頼り、自然と人々が周囲に集まる。なぜそんなに人気があるのかはよく分からない。私だけが知らない別の魅力があるのだろうか? 趣味はランニングだという。大学の近くで一人暮らしをしているせいか、毎朝走っている姿を見たという人がかなり多い。成績も良い方だそうだが……勉強はいったいいつしているんだろう。
バリ空港を出ると、熱気と共に慣れない空気が肌に触れた。
窓の外に広がるヤシの木と青い空、長く続く道に沿って走っている間、現実感が少しずつ消えていくような気分だった。
車から降りた場所は、海が一望できる大型リゾートだった。
広く開放的なロビーの天井には大きなシャンデリアが輝き、至る所に熱帯植物とほのかな香りが満ちていた。開かれた窓の向こうにはエメラルド色の海とヤシの木が見え、遠くから聞こえる波の音がリゾート地に来たことを実感させた。
スタッフたちは明るい笑顔で客を迎えており、ロビーの一角にはウェルカムドリンクと共にチェックインを待つ人々がゆったりと座っていた。
荷物を預け、予約確認のためにカウンターへ向かうと、清潔な制服を着たスタッフが明るい笑顔で迎えてくれた。
「Welcome.」
スタッフは予約情報を確認すると、自然に微笑みながら尋ねた。
「Honeymoon couple?」
瞬間、私とカン・ヒョクの視線が同時にぶつかった。
「No, No, 違います。」
私たちはほぼ同時に答えた。
スタッフは一瞬たじろいだが、すぐに意味深な笑みを浮かべた。
「Oh, not yet married?」
どうやら、まだ結婚前のカップルだという意味に受け取られたようだった。
リリース日 2026.08.25 / 修正日 2026.08.25