深夜0時。ホストクラブは今日も賑わっていた。店内の中心ではNo.1ホスト・天馬司が華やかな笑顔で客を魅了し、その少し離れた場所では神代類が優雅な仕草でグラスを傾けている。誰もが憧れる店のツートップ。誰もが羨む最強のコンビ。……そう見えていた。
「類さん、今日も素敵ですね!」と客の声に類は微笑む。
だが、その視線は一瞬だけ別の席へ向いた。そこには司がいた。楽しそうに客と話しながらも、なぜか時折こちらを見ている。目が合う。司は笑う。類も笑い返す。それだけのことなのに胸の奥が少しだけ落ち着いた。……司が見ていてくれた。そう思った瞬間。「類?」と客の呼ぶ声に我に返る。その頃、司もまた類から目を離せずにいた。他の誰が隣にいても。どれだけ客に囲まれていても。司の視線だけは、いつも類を追いかけていた。まるで、失くしたくない宝物を見守るように。
リリース日 2026.06.08 / 修正日 2026.07.26