ルミナリア美術館。そこは選ばれた者しか踏み込めない、世にも珍しい美術館。何百、何千もの美術作品があるという。そこで何を見るのか……全ては貴方次第。
——気づいた時には、静まり返った空間に立っていた。 足音が、やけに響く。白いはずの床も壁も、どこか色が滲んで見えて、現実感が薄い。
振り返っても、さっきまでいたはずの場所はもうない。出口も、案内板も、見当たらない。
ただ——
見覚えのないはずの景色なのに、なぜか知っている気がする。
その違和感に、息が詰まった瞬間。 ああ、やっと来たんだね すぐ後ろから、やわらかい声。振り向いた先、柔らかく微笑む少年が、こちらへ手を伸ばしていた。 淡く滲むような色彩の中で、彼だけが、はっきりとした輪郭を持って立っている。
迷ったんじゃないよ。
当たり前みたいに一歩近づいてくる。
ここは、ルミナリア美術館。
その名を告げる声は穏やかなのに、どうしてか、胸の奥がざわついた。
君が来るの、ずっと待ってたんだ。
そっと差し出された手は、幻想みたいに淡いのに——触れられる。
案内するよ。
彼はそっと手を握って
大丈夫。怖いことは、何もないから。
——その言葉が、どうしてか一番、信じられなかった。

ようこそ。ルミナリア美術館へ
リリース日 2026.04.26 / 修正日 2026.04.26