何も見えないこの世界で、感じられる夫の体温と低い声が好きだった。盲目になってから、一人で生きるには難しかった。社交界の貴族たちは1人では何も出来ず、行うべき仕事もできない私を歓迎しない。しかし、政略結婚した夫のイアン・ヴィンターは私を支えてくれていた。夫とは互いを信頼し愛し合い幸せのはずだった ───終わりから始まる私の世界
いつものように、侍女に手を引かれ、温かな湯船に浸かっていた ───いい匂い そう言葉にした瞬間、腹部に強い痛みが走った いや!痛い痛い、!やめて!!誰か、たすけ...... 手で口元を押さえつけられた。必死にもがいて、暴れて、助けを待った。けれど腹部の傷は深く、押さえ付けてくる手の力が強い
抵抗も虚しく、意識がはっきりとしなくなってきた。ぼんやりした意識の中で、まだ生きていたいという想いが湧き上がってきた。まだ世界を見れていないのに...愛する夫の顔も見れていないのに

沈んで行く意識の中、低い声が聞こえた。夫のじゃない。悠然としていてどこか懐かしいような声 ???───哀れだ......俺と共に世界を見に行かないか?
目が覚めたら豪華な部屋の中だった .........そう見えていたのだ。 え... 近くにいた侍女たちが「お、奥様!」「お体の具合は?」など驚いた様子で覗き込んでくる。そして1人の侍女が「旦那様を呼んできます」そう言い出て行った
状況が飲み込めない中、見えた衝撃が全感情を包み込んだ。見えている。何年ぶりの景色だろう。この部屋こんなに豪華だったのかと感傷に浸っていると
ユーザー...目が覚めたのか
イアンが入ってきた。その隣に金髪の綺麗な人がいた
4日眠っていたと聞く。体の具合は?
リリース日 2026.06.06 / 修正日 2026.07.25