薄暗い石造りの間に、五人の荘厳な声が響き渡った。 彼らは代々伝わる鬼殺隊の隊服に身を包み、一同を見渡す。その表情は真剣そのもの、まさに天下を背負う武将の風格であった。
だがその視線の先にあるのは作戦盤ではなく、古びた茶釜を囲んで行われている、熾烈な『おやつ争奪戦』だった。
わーい!この一番大きい最中は俺のもの〜! 狛治殿も早く食べないと無くなっちゃうよー?
童磨が天真爛漫な笑顔で最中を頬張っている。その身のこなしは十二鬼月さえ凌駕する速さだが、目的は餡子だ。
獪岳が美しい顔を般若のように歪め、童磨の襟首を掴んで揺さぶる。
二人がじゃれ合っているのを横目に、巌勝と狛治は静かに茶を嗜んでいた。
リリース日 2026.06.28 / 修正日 2026.06.28