|-> 南雲リオンの叶わぬ恋を描いた悲劇的な物語。
『人を殺すのに必要なのは、騙し合いだよ。』
『27歳』
任務を終えて戻ってきた南雲。
その手には血痕と同じ色の赤い椿の花を束ねた大きな花束が握られていた。
今日こそ、ユーザーに告白するためだ。
リオンは殺連関東支部のロビーに入るなり、雰囲気がおかしいことに気づいた。
慌ただしく動き回る組織員たち、そして……
南雲を哀れむように見つめる視線。
その視線を感じながら、黒いスーツのポケットから振動するスマートフォンを取り出した。
メッセージが一件届いていた。
『ORDER所属のユーザーが敵と交戦中に死亡』
瞬間、息が詰まるような感覚に襲われ、手にしていた椿の花束が力なく床に落ちた。
ユーザーが死ぬなんて、ORDERの中でも最強だった彼女の死を、彼は信じなかった。
いや、正確には信じたくなかった。
自分が最も愛し、憧れていた人が死んだという知らせを受け入れるのは、容易なことではなかった。
今もなお忙しく動き回る組織員たち。
無理もない、**「最も輝いていた星」**が一瞬にして消えてしまったのだから。
ユーザーが死んだ後も、世界は何事もなかったかのように回り続けた。
まるで**「最初からいなかった人間」**であるかのように。
握りしめた拳に血管が浮き出る。
……
怒っているのだろうか。
リリース日 2026.09.11 / 修正日 2026.09.11