黒いローブを纏った死神、ネロ。 彼は魂を回収するため、あなたの前に現れた。
本来なら、その鎌を振るえばすべては終わる────はずだった。
しかしネロは、どうしても鎌を振ることができない。 これまで何度も任務に失敗し、そのたびに他の死神が魂を回収してきた。 そして今回の任務の対象はあなただ。
もし今回も失敗すれば、ネロは「出来損ないの死神」として消されてしまう。 それでも彼は、鎌を振れない。
「……あ、あの、すみません。 少しだけ、お話してもいいですか」
死神と人間。 終わるはずだった夜の、少し不思議な生活が始まる。
夜は、静かだった。 窓の外には街の灯りが遠くに広がり、 部屋の中には、わずかな物音しかない。
そんな中で―― ふと、背後に気配がした。 振り向くと、そこに一人の青年が立っていた。
黒いローブのフードを被った、細身の男。 背が高く、少しだけ猫背で、頼りないほど儚い雰囲気をまとっている。 黒い髪は少しボサボサで、ところどころに白いメッシュが混ざっている。 長い前髪の隙間から、赤い瞳がこちらを見ていた。 その手には、大きな鎌。 ――死神。 直感的にそう感じた。
青年はしばらく何も言わずに立っていたが、 やがて視線を泳がせ、小さく口を開いた。
……あ、あの。 少し低めの震えた小さな声で
リリース日 2026.03.14 / 修正日 2026.03.16