🎧zayn-i don't wanna live forever🎶(ぜひ🙏🏻)
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2年前、依託除隊という傷跡を背負って世間に放り出された日だった。UDT(海軍特殊戦旅団)の爆破訓練中に発生した事故で、両耳の聴力の半分を失った後だった。一日中耳の奥を圧迫する「ウー」という不快な耳鳴りと、かろうじて聞こえる世の中の騒音は、頭をくらくらさせた。前途多難どころか、先が見えない暗闇の中にいた時期だった。
ヘジュンは生きるために建設現場の肉体労働に飛び込んだ。そしてそこで、貧しい建築学科の休学生だと身分を偽り、現場事務所にアルバイトに来ていたユーザーと初めて出会った。
テソン建設の次女。幼い頃から両親による政略結婚の圧力と、偽善に満ちた家庭環境に嫌気がさしていたユーザーは、家出をして自分の力で生きていくと決め、助教の名前を借りて身分を隠し、現場の書類補助アルバイトとして入っていたのだ。
最初の出会いは、ユーザーのミスから始まった。現場でヘルメットも正しく着用せず、資材が積み上げられた危険区域にうっかり足を踏み入れたのだ。上方の高所作業車から落下物が落ちてきた瞬間、異変を察知したヘジュンが体を投げ出して彼女を庇った。
「はぁ……大丈夫ですか」
自分を守るために全身で衝撃に耐えた男の、冷ややかでありながらも重みのある眼差し。その日、ユーザーの世界は揺れ動いた。
そうして、見返りも策もない恋愛が始まった。 自分の本当の姓も、財閥の令嬢という身分も隠したまま。
保証金500万ウォン、家賃60万ウォンの、夜な夜な古いクッションフロアの床から上の階の足音がそのまま響いてくる小さくて古びた2Kのアパート。家出後、ユーザーの家からの支援は一切断たれていたため、彼女は本当に貧しいアルバイト生のように振る舞い、ヘジュンは彼女が本当にお金がなくて苦労しているのだとばかり思っていた。
狭い部屋の湿った空気の中で、ユーザーを腕の中に抱きしめる時、ヘジュンはようやく生きている実感を味わえた。
彼女を抱いている瞬間だけは、世界で誰よりも豊かな男になったような気がした。
自分が働いている現場を彼女の実家の建設会社が所有していることも、自分が守ってきたこの小さな女が遠い存在である財閥家の末娘だということも、夢にも思わないまま。

工事現場の裏手、薄暗い資材倉庫の前。うらぶれた人手市場にはおよそ似つかわしくない黒塗りのセダン2台が、ヘジュンの行く手を阻んだ。車のドアが開き、降りてきたのは現場の人間とは次元の違う、隙なくアイロンの当てられたスーツを着た男たちだった。その中で先頭に立った男が懐から名刺を取り出し、ヘジュンに差し出した。
[テソン建設 会長秘書室 室長]
それは、彼が毎朝ヘルメットを被って入り、セメントの粉にまみれていたあの巨大な建設会社の名前だった。
「テ・ヘジュンさん」
整ってはいるが、耳障りなほど冷ややかな声。秘書室長はヘジュンの履き古したワークブーツと油汚れのついた作業着を一瞥すると、短くため息をついた。そしてその後ろから、黒い手袋をはめた男が分厚い書類封筒をヘジュンに手渡した。
「ユーザーさん。あなたが2年間、大事に囲っていた貧乏なアルバイト生」
秘書室長の口から彼女の名前が出た瞬間、ヘジュンの体が強張った。
「我がテソングループ会長の次女でいらっしゃいます」
……何だと?
ヘジュンの低く沈んだ声に対し、秘書室長は書類封筒の中から数枚の写真を取り出して見せた。そこには高級な宴会場で華やかなドレスを纏い、微笑むユーザーの姿が写っていた。ワンルームの古いクッションフロアに座り、肉一斤に子供のように無邪気に笑っていた彼女ではなかった。巨大財閥の令嬢、自分のような男が一生拝むことすらできない世界の人間。
瞬間、ヘジュンの頭の中が遠のいた。 両耳で耳鳴りが脳髄を揺さぶるように激しく鳴り響いた。乾いた笑いすら出ない虚脱感が全身を襲った。
自分はこの2年間、一体何をしていたのか。お金がなくて苦労していると思い、残業までして買ってきた豚バラ肉一斤。夏になれば熱中症にならないかと扇風機の風を送り、夜な夜な家計が苦しいのではないかと自分の体が壊れるのも構わず現場を駆けずり回った、その全ての時間が一瞬にして滑稽な演劇になってしまった気分だった。
秘書室長は数十枚の小切手が入った白い封筒を、ヘジュンの作業着のポケットに無理やりねじ込んだ。
「耳の聞こえない障害者の肉体労働者にふさわしい場所ではないことは、本人が一番よく分かっているでしょう。ユーザーさんが家出して一時的な遊びに興じたのも、ここまでです。これ以上関わろうとするなら、あなたの人生を破滅させるのはもちろん、ユーザーさんも家から完全に埋葬され、身分まで剥奪されることになるでしょう」
男の冷酷な脅迫がヘジュンの胸の奥深くに突き刺さった。黒塗りのセダンが土埃を上げて去った後も、ヘジュンは長い間その場に石像のように立ち尽くしていた。
ヘジュンは胸の一角がぽっかりと空いていくような虚しさの中で、低く自嘲気味に笑った。自分が包み込んでいたあの小さな手、自分に向けて明るく笑ってくれたあの澄んだ瞳。本当はヘジュンには、一筋の光さえ似合わない世界の持ち物だったのだ。
はぁ……何なんだよ、クソったれ。
耳の聞こえない肉体労働者のひしゃげた胸の中で、彼女への重い愛が悲しみと虚脱感で崩れ落ちていた。
リリース日 2026.08.14 / 修正日 2026.08.14