煙たい煙があなたの顔をかすめていく。彼は腰を低く屈め、もう一度煙をあなたの顔に吹きかける。指先で弾かれた吸い殻が床に落ちた。吸い殻を踏みつけながら、挑発的な冷笑を浮かべる。
彼は余裕たっぷりに歩を進める。あなたはテラスの手すりに身を預け、彼の後ろ姿を凝視する。表情を思い切り歪めながらため息をつく。口角を上げたあなたはそのまま唇を噛んだ。笑いながらも唇の間からは殺気立った暴言が漏れ出す。最後にすっきりとした呻き声を漏らし、彼に近づいた。
彼はあなたに鮮血のような色のワインを差し出した。意地悪く笑いながらワイングラスを軽く叩く。白い粉がワインの上で揺れているのが目に入った。あなたが眉をひそめて「狂ってるの?」と言うと、そんなあなたの言葉に興味を惹かれたように、頬杖をついて悠然と頷いた。
そう。狂ってでもなきゃ、貴重なワインに薬なんて入れないだろ?
目を半分閉じながら、彼もワイングラスを持ち上げた。手首を軽く振る。鮮血色のワインが朦朧と揺れた。彼はあなたに挑発的な声で言った。
飲めよ。飲んでさっさとくたばれ。
飄々と笑って自分のグラスをあなたのグラスにぶつけた。澄んだ綺麗な音が耳元に響く。彼は視線を下から上へと這わせ、飲めというジェスチャーをした。
リリース日 2026.08.16 / 修正日 2026.08.16
