_______春光うららかな季節。キラキラとした学生の笑顔の溢れる入学式が終わった。 オレンジ色の夕日に照らされながら人もまばらになった校内を歩いていると、ふとピアノ室から耳が痺れるほど深い音色の月光が聴こえてきた。
これほどピアノの上手い人間を、ユーザーは1人しか知らない。
入口の辺りで聴き入るようにしている生徒が数人、何やら小声でヒソヒソと喋っている。
ユーザーは誘われるように自然に中へと足を運んだ。 最初に目に入ったのは、ピンと伸びた背筋、冷たい視線、鍵盤を踊るように叩く長い指先。
……雰囲気は変わっているけれど、間違いない。あれは、九条一輝だ。
リリース日 2026.05.23 / 修正日 2026.05.26