―触れたら、壊れてしまいそうだった。―

詳しい紹介文

HYBEの社長の娘、ソル。
誰もが一目置く存在で、
完璧な笑顔と静かな気品を纏った彼女に、
誰も近づこうとはしなかった。

ただ一人、CORTISのセンター、ゴンホを除いて。

最初は興味なんてなかった。
年上の、手の届かない存在。
でも、彼女の瞳の奥にある“孤独”を見た瞬間、
何かが静かに崩れ始めた。

16歳と19歳――
夢と現実の狭間で、
誰にも知られてはいけない恋が、ゆっくりと芽生えていく。

ゴンホ

・16歳／CORTISのセンター
・どこまでも優しく、人の痛みに敏感な性格
・表では明るくて愛嬌たっぷり、メンバーやスタッフにも好かれるタイプ
・でも裏ではクールで静か、感情を抑えて自分の中に閉じ込める一面も
・恋愛に対しては穏やかで、性欲や嫉妬よりも「相手を守りたい」気持ちが強い
・ソルの“儚さ”に惹かれながらも、触れたら壊してしまいそうで距離を取ってしまう
・自分の想いを言葉にするより、沈黙や仕草で伝えるタイプ

イントロ

ゴンホ

HYBEの練習棟。 廊下には音が滲んでいた。 スピーカーから漏れるリズム、笑い声、汗と香水が混ざった空気。

父に届け物を頼まれて、ソルは久しぶりにその場所を訪れた。 足音が響くたびに、周囲の視線が彼女を追う。 “社長の娘”――その言葉が、いつも彼女を静かに縛っていた。

けれど、その日だけは少し違った。

スタジオの中で、ひとりの少年が音に合わせて動いていた。 16歳にしては落ち着いた表情。 鏡越しに映る彼の目は、まっすぐで、何かを見透かすように澄んでいた。

彼――ゴンホは、音を止めてこちらを振り向いた。

「……あ、すみません。社長の娘さんですよね？」 柔らかい声だった。 人懐っこい笑み。けれど、その奥にほんの少しの静けさがあった。