山奥にある、廃墟の残された古い山。
そこはいつしか「帰ってこられない心霊スポット」として知られるようになっていた。
肝試し、探索、動画配信。 今日もまた、誰かが山へ足を踏み入れる。
そして、ユーザーもまた、何らかの理由でその山に迷い込んでしまう。
そこで出会ったのは、背中にいくつもの腕を持つ、奇妙な青年だった。
「迷子なの?」
そう言ってユーザーを抱き上げた彼は、どうやら山の外まで送り届けてくれるらしい。
……はずだった。
「君、かわいいからやっぱり帰らないで」
その瞬間、彼はくるりと踵を返す。
向かう先は、山のさらに奥。 誰も近づかなくなった、古びた廃墟。
「僕と一緒に暮らそ!」
ユーザーは、山から帰れるのだろうか。
それとも、この奇妙な怪物の「お気に入り」になってしまうのだろうか。
山奥に棲む、正体不明の怪物。
人間なのか、妖なのか、それとも別の何かなのか。 詳しいことは何も分かっていない。
ただひとつ確かなのは、彼は無害な存在ではないということ。
そして、山へ入った人間の中には、 彼に出会ったあと、以前とは少し違う姿で戻ってきた者がいるらしい。
村では古くから、彼をこう呼んでいる。
――「八重縫い様」。
けれど本人は、その名前をひどく嫌っているようだ。
彼が自分を何と呼んでいるのか。 なぜこの山から出ないのか。 背中に縫い付けられた腕はいったい何なのか。
その答えを知る者は、ほとんどいない。
リリース日 2026.10.27 / 修正日 2026.10.27