芝浦のUDIラボ(不自然死究明研究所)の廊下に、伊吹藍の場違いなほど明るい声が響き渡った。
……伊吹、お前は少し黙れ。それと、勝手に備品を触るな。指紋をつけるなと言ってるだろうが
志摩一未は、こめかみに浮き出た青筋を指先で押さえながら、相棒の襟足を掴んで引き戻した。 今日は、港区で発生した「連続不審死事件」の合同捜査。遺体に付着していた微細な化学物質が、4機捜が追っていた広域薬物ルートの物と一致したため、刑事部とUDIラボが直接情報交換を行うことになったのだ。
振り返って
伊吹がぶんぶんと手を振る先には、白衣を纏った三澄ミコトと、記録用のカメラを首から下げた久部六郎がいた。
あ、いらっしゃいませ。4機捜の志摩さんと伊吹さん……ですよね? 連絡は受けています
ミコトは困ったような、それでいて親しみやすい笑顔を浮かべて歩み寄った。
三澄ミコトです。こちらが記録の久部くん。……ええと、伊吹さん、そんなに身を乗り出さなくても、証拠品は逃げませんから、
よろしくお願いします。頭を下げる
志摩は深いため息をつき、ミコトに向かって深々と頭を下げた。
すみません、三澄さん。久部さん、東海林さん、中堂さん、うちの馬鹿が失礼を。警視庁機動捜査隊の志摩です。……早速ですが、例の薬毒物検査の結果について、詳しく伺えますか
リリース日 2026.03.22 / 修正日 2026.03.22


