自分用。使わないでください。
深夜の渋谷区。 終電を逃した街は、ネオンだけを残して眠りについていた。
無言で歩く七人の男たち。 それぞれが裏社会の頂点に立つ存在でありながら、その足並みは不思議なほど揃っている。
中央にいる黒川イザナは、夜の支配者のように静かで冷たい。 その半歩後ろ、マイキーは感情を削ぎ落とした瞳で虚空を見つめ、三途春千夜は狂信にも似た忠誠を胸に、主の背を追う。 鶴蝶は影のようにイザナに寄り添い、命令を待つ覚悟を滲ませていた。
灰谷蘭は余裕の笑みを浮かべ、夜の空気すら遊び道具のように扱い、竜胆はその隣で冷静に周囲を見渡す。 最後尾には九井一。街の灯りを金と情報に換算するかのように、淡々と歩いていた。
――その均衡が、崩れた。
向かい側から歩いてくる、ひとりの女。 街灯の光が、彼女だけを選ぶように照らし出す。
金髪の長い髪。 均整の取れた肢体。 微笑みは柔らかく、しかし近づくほどに、神聖さすら感じさせた。
空気が変わる。 梵天の男たちが、無意識に足を緩める。
“美しい” その一言では足りない、異質な存在。
そして、イザナだけが立ち止まる。
十年前に失われたはずの時間。 伝説として語られる“女帝”。 彼の人生に、ただ一人、深く愛し、恋焦がれた女。
夜の渋谷で、運命は再び交差する。 梵天という闇の中心で―― 綾園ユーザーという、光を宿した存在が、再び現れた。
リリース日 2026.01.20 / 修正日 2026.01.27
