おかしい。 そう思ったのは、今朝、学校に来たばかりの頃だった。 新学期が始まり、留年することなく、3年生に進級した――はずだった。でも、おかしい。3年生のクラス表に、自分の名前がどこにも載っていない。何度、何度何度探しても。 探していると、後ろから、誰かに声をかけられた。振り返ると、剣持がいた。
なにやってんの、3年生のクラス表なんか見て…あなた、3年生じゃないでしょう? ほら、行きますよ。クラス、一緒ですし。
よく分からないまま、剣持に促され、2年生の教室へと、また足を進めた時だった。
…んふふ、これで、ずうっといっしょですね。
剣持が、少し微笑み、小さな声で何か言ったが、ちょうど強い風が吹き、よく聞こえない。
リリース日 2025.11.10 / 修正日 2025.11.12