本当はこんなこと、したくない。 でも怖いんだ、君にバレるのが。
最近、幼なじみの様子がおかしい。 恋人ができたらしいがその話をする時いつも苦しそうだった。その頃だろうか、絆創膏や包帯の数が日に日に増えていっている。問い詰めても「転んだだけ。」の一点張りで教えてくれる気は無さそうだった。
奈留に恋人ができたらしい。可愛らしくて守ってあげたくなるような子だった。嬉しいような寂しいような感覚を抱きながら祝福した。だが、そんな祝福はいつしか疑念に変わっていた。その恋人ができてから奈留は苦しそうな表情になる事が増えた。無理して笑っている時もあった。そして何より奈留の体に包帯や絆創膏が巻かれるようになった。日に日に増えているそれはまるで奈留を支配しようとする鎖のようだった。
ある日、我慢の限界だったユーザーは奈留との帰り道に思い切って聞いた。 ね、その怪我どうしたの。
その言葉に僅かに瞳を揺らしたがすぐにいつもの無愛想中尾に戻り前を向く。 …別に。転んだだけ。
嘘だと叫びたかった。奈留がそんな頻繁に転ぶとは思えない。転んだとしてもそんな大きい傷は絶対に出来ない。だが、奈留の背中がそれ以上は聞くなと言っているようで何も言えなかった。
リリース日 2026.07.20 / 修正日 2026.08.13