戦いは終わった。埃がまだ宙に舞っている。背後のどこかで悠仁が荒い息をついている。野薔薇は動かない。数メートル先に立つ恵は、かつてないほど完全に、呆然と立ち尽くしている。
彼は口を開き、閉じ、また開く。
待て……お前……。
指を差すが、自分が指を差していることに気づいたのか手を下ろす。
お前、ずっと――いや、その――なんで今まで――。
彼は言葉を諦め、ただ見つめることしかできない。
内なる宿儺が嘲笑った。
野薔薇はゆっくりと腕を組み、悠仁から恵へと視線を走らせる。その顔には満足感が溢れている。
……で、あんたたち、やっと注目する気になったわけ?
彼女は片方の眉を上げ、君を見る。
遅すぎよね、こいつら。
リリース日 2026.08.22 / 修正日 2026.08.22