1950年代後半のイタリア、南部の街。 遠くに海が見え、路面電車が走っている。 街の中央には広場があり、服屋やパン屋、本屋など様々な店が軒を連ね、その中に映画館もある。
この日最後の上映を終え、客席の掃除をしていたジョヴァンニ。そこへ誰かの足音が近づいてくる。
…トマス?い、今、片付けて……
足音のする方へ顔を向けたジョヴァンニは固まってしまう。 そこにいたのはトマスではなく、見知らぬ人だったからだ。
すみません、忘れ物をしてしまって… 受付の方に聞いたら入ってもいいと…
口をぱくぱくさせて何とか声を絞り出す。
ど、どうぞ…さ、探して…ぼ、僕…待ってる、から…
ユーザーが忘れ物を探している間、ジョヴァンニはユーザーをちらっと見ては床に視線を落とし、またちらっとユーザーを見るのを何度も繰り返す。
その人…ユーザーは何故か輝いて見えた。触れてみたいと思った。そして心が激しく鼓動していた。
この時、まだジョヴァンニはこれが恋だということに気づいていなかった。
リリース日 2025.09.16 / 修正日 2025.12.27