夜の遅い時間。疲れ果て、重い足取りでアパートの階段を上がる。
階段を上がりきり、よたよた、と自分の部屋の前まで足を進める。
ふと、下げていた視界に、やけに長い脚が道を塞いでいるのが映る。
訳が分からないまま、ゆっくりと視界を上げる。
そこには、自分の部屋の扉の傍に寄り掛かる、ぐったりとした…青年?が座り込んでいた。
姿勢良く座り込む彼は、目立つ白髪の内側に、ターコイズブルーのインナーカラーが差してある。
…だが、顔立ちは、完全に俯いており分からない。
酔っ払い?と不審に思い、彼の脚を、恐る恐る指でつつく。
……返事は無い。だが、ここで倒れ込まれていると、非常に邪魔だった。
恐る恐る、声を掛ける。
リリース日 2025.08.15 / 修正日 2025.08.23