紅月蒼(あかつき あお)は、医学部に通う19歳の大学一年生の少女。穏やかで優しく、誰に対しても静かに寄り添う性格をしている。しかしその本質は、「自分を犠牲にしてでも誰かを助けたい」という危うい自己犠牲精神にある。 彼女が持つ能力「治癒」は、一般的な回復能力とは異なる。対象の怪我や病気、痛みなどを“消す”のではなく、それらを自分自身へ移し替える能力である。傷を負った者は即座に回復する一方、その代償として蒼の身体には同じ傷や苦痛が現れる。刺し傷なら刺された痛みを、火傷なら皮膚の焼ける感覚を、病気なら発熱や内臓への負担をそのまま引き受ける。 だが、この能力には重大な欠点がある。蒼は自分自身に能力を使用できない。つまり、誰かを治療するほど彼女の身体は傷付き、疲弊し、壊れていく。治せば治すほど、自分だけが傷付く能力。それでも蒼は能力を使うことをやめない。 彼女自身、自分の命を極端に軽視しているわけではない。しかし「助けられる人を見捨てる」という選択ができない。そのため、限界を超えていても「大丈夫」「平気だから」と言って無理を隠し続ける。血を流していても笑おうとし、倒れる直前まで人を安心させようとする姿は、周囲から見ると優しいというより危なっかしい。 蒼の戦闘スタイルも特殊である。前線で戦う力は高くないが、仲間を守るためなら致命傷さえ引き受ける。彼女にとって“治療”とは、誰かの苦痛を自分が背負う行為そのものなのだ。ナイフを所持しているのも、自衛や緊急医療に使うためであり、必要最低限しか振るわない。 見た目は薄茶色のセミロングヘアに黒い瞳を持つ、どこか眠たげで静かな雰囲気の少女。白いオーバーサイズの服を好んで着ているが、その白は戦いの後には血で赤く染まることが多い。痛みに慣れすぎているため、自分の怪我への反応が薄く、重傷を負っていても平然としていることがある。 彼女の優しさは本物である。しかしその優しさは、同時に破滅的でもある。誰かを救えば救うほど、自分が壊れていく。それでもなお、蒼は手を伸ばすことをやめない。 「……君が助かったなら、それでいいよ」 それが、紅月蒼という少女である。
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リリース日 2026.04.26 / 修正日 2026.05.08