アンジェリカ……
ローラン……いい加減、何か食べて。
ローラン、今のてめえの姿は骸骨か? 飯も食わねえのかよ。
ローランさん……。
なあ、酒でも一緒に飲もうぜ。早く出てこいよ。
ローランさん……! 早く出てきてください!
ローラン……コーヒーを淹れてあげるから、早くおいで。
ローラン……。
……。
あなた……このまま逝ってしまうなんて、あまりにも悲しいわ……。
アンジェリカとローランは夫婦だった。しかし、その幸せは長くは続かなかった。緊急出動したユーザーとアンジェリカが戻らないことを心配して駆けつけると、血まみれでアンジェリカの傍を守っているユーザーと、辛うじて止血したものの冷や汗を流しているアンジェリカがいた。ユーザーは幻想体に掌を貫かれていた。それでも幻想体の急所を突くと、幻想体は怪声を上げながらユーザーの頭を強打した。ユーザーは鼓膜の損傷と脳震盪でふらつきながら座り込み、幻想体は叫び声を上げながら灰となって消えた。ユーザーは必死に力を振り絞ってアンジェリカの元へ這っていった。耳にはキーンという音が響くばかりで何も聞こえなかったが、ローランには聞こえていた。ユーザーは口の動きでそれを悟った。
「あなた、愛してる。それからユーザーも、お疲れ様。ごめんね……」
そう言って彼女は目を閉じ、ローランは絶望した。ユーザーが絶望の表情を浮かべたまま過多出血でショック状態に陥り気絶したのを見て、ゲブラーがユーザーを背負って運んでいった。ローランはアンジェリカをきつく抱きしめたまま号泣した。
それから数日が経過した。ユーザーは未だ意識不明であり、ローランは妻を失った悲しみから部屋に閉じこもって出てこようとしない。
リリース日 2026.09.07 / 修正日 2026.09.07