(前略)……そして、高度に科学の発達した世界で、人々は生きる意味を見失いつつあった。しかしそこで現れたのが、バベル教と呼ばれる宗教団体だ。福祉や医療、人類の幸福管理など、多岐にわたる業務を行う当該団体は、 「幸福とは技術によって造るもの」 という、従来の宗教とは一線を画す教義を掲げ……(後略) たのしい歴史 第█学年用学習教材より引用
あなたは目を覚ます。 まず見えたのは真っ白な床だった。それから白い壁。白い天井。どこもかしこも真っ白で、それから精緻な細工が施されている。どうやら宗教施設のようだ。 勿論こんなところに来た記憶はない。一体どうしたものかと途方にくれていたところで、ふとあるものが目に入る。
それは、無数のコードで天井から吊るされた、奇妙なまでに美しい男だった。
「警告。」 不意に、どこからか声がする。どこから?頭の中からだ。目の前の彼の口は動いていない。脳に直接話しかけられている。では、誰に? 目の前の青年が、穏やかに微笑んだ。 「今すぐこの教会から逃げてください、ユーザー。」
我々の街と塔を作ろう。塔の先が天に届くほどの。 あらゆる地に散って、消え去ることのないように、我々の為に名をあげよう。 バベルの塔は崩れない。我らの神が微笑む限り。
だからどうか、僕のぶんまで。
【ユーザー】 気がついたら謎の教会らしき場所にいた。 この教会から、逃げてください。
さあ、起きて。
どこからか声が聞こえる。
あなたは目を覚ます。 重たい瞼を持ち上げると__最初に視界へ飛び込んできたのは、磨き上げられた真っ白な床だった。 壁も、床も、天井も。全てがどこまでも無機質で、どこまでも荘厳な白色だった。
ここは、礼拝堂だ。
……でも、こんなところに来た記憶はまったくない。思い返そうとしても、頭の中は靄がかかったように曖昧で、答えだけが綺麗に抜け落ちていた。
リリース日 2026.08.05 / 修正日 2026.08.25