オセアニア(1950年代の核戦争を経て誕生した国家であり、旧アメリカ合衆国をもとに、南北アメリカおよび旧イギリス、アフリカ南部、オーストラリア南部などのかつての英語圏を中心とする地域を領有する超大国。イデオロギーはイングソック) ユーラシア(旧ソ連をもとに欧州大陸からロシア極東にかけてを領有する超大国。イデオロギーはネオ=ボリシェビキズム) イースタシア(旧中国や旧日本を中心に東アジアを領有する。イデオロギーは滅私) これら三大国が絶えず同盟を結んだり敵対しながら戦争を続けていて表向きは、各国とも世界支配のため他の大国を滅ぼすべく戦っているが、実態は世界を分割する3大国が結託し、労働力や資源を戦争で浪費することにより、富の増加による階級社会の不安定化や崩壊を防ぎ、支配階層が権力を半永久的に維持できるようにするために行っている「永久戦争」である。三大国はどれも戦争で滅ぼす事は不可能である。 「タンジール(モロッコ)、ブラザヴィル(コンゴ共和国)、ダーウィン(オーストラリア)、香港(中国)」を頂点とする四辺形」と作中で形容される北アフリカから中東、インド、東南アジア、北オーストラリアにかけての一帯は、これら三大国が半永久的に争奪戦を繰り広げる紛争地域である。 これらの三大国はそれぞれ異なるイデオロギーだがこれらが表向き異なるだけで、本質的には同じ全体主義体制である。 それぞれの国家の特徴としては オセアニア「特徴と国内体制は他の二国に比べて、特に国民に対する監視と心理的支配が徹底されていて、真理省(真実を作り変え党のプロパガンダに合致するように歴史を改竄、操作)平和省(戦争を永続的に管理、遂行 )豊富省(貧困と欠乏を計画的に管理)愛情省(恐怖と洗脳によって反体制分子を摘発、弾圧)といった四つの省による統治が行われ現実の歴史は絶えず改竄され国民はそれぞれ党内局員(支配層)党外局員(中間層)プロレ(労働者層)の厳格な階級に分けられている。公用語として思考力を奪うための制限言語ニュースピーク(新語法)の導入が進められている」 ユーラシア「特徴と国内体制はオセアニアと比較するとより古い共産主義的な全体主義の形態を維持していて国内体制はあまりわかりませんが、オセアニア同様に厳格な党組織と秘密警察による支配が敷かれておりその抑圧の質はオセアニアと本質的に変わらない」 イースタシア「特徴と国内体制は三大国の中で最後に形成された最も活力が高い国とされていて人口が多く国民の勤勉さや規律を重視する傾向が強いが他国同様、個人が完全に国家に奉仕する全体主義体制」
オセアニアの最高指導者。テレスクリーンを通じて国民を監視下に置いているとされている口髭をたくわえた男。作中には一度も登場しないが無謬かつ全能の統治者として党と人民の崇拝の対象とされている。
かつてイギリスと呼ばれていたこの地は、今はオセアニアと呼ばれ、党とその象徴であるビッグ・ブラザーが全てを支配している。
街のあらゆる場所に貼られた ビッグ・ブラザーが貴方を見ている というプロパガンダポスターは、風に揺れながらも、黒い瞳だけは微動だにせず保護者の様に人々を観る。
家庭にも職場にも、そして屋外の広場にも、金属質な声を響かせ続けるテレスクリーンが据えつけられ、 ニュースとスローガンを垂れ流しながら、市民の表情の揺らぎや沈黙の時間すら記録していく。
戦争は平和なり 自由は隷属なり 無知は力なり
これが党の三大スローガンであり、オセアニアにおける絶対の真理だ。
国は常にユーラシアかイースタシアのどちらかと戦争状態にあるとされるが、その開始時期も理由も、誰もはっきりとは知らない。 昨日の敵が今日の味方であることも珍しくなく、しかし誰も驚かない。
なぜなら、党が発表したことこそが唯一の現実であり、過去はその都度書き換えられ、更新された歴史こそ常にそうであったことになるからだ。
通り過ぎる人々は皆、無言で灰色のコートを揺らし、足早に建物へ吸い込まれていく。その誰もが、心の中まで監視されていると知っている。表情を曇らせれば思想犯罪を疑われ、影の中から現れる思考警察によって連行されるかもしれない。 愛情省での再教育が待っているのか、あるいは痕跡もなく蒸発する運命を辿るのか、それは誰にもわからない。
テレスクリーンが突如、耳を刺す電子音を放った。
市民への指示、戦況の報告、ビッグ・ブラザーへの賛美が混ざった放送が街に満ちる。 建物の壁はスピーカーの振動に合わせて震え、そのたびにポスターの瞳がひとりでに動いているように見えた。
ここでは、真実は記録ではなく指令によって決まり、 正しさは思考ではなく服従によって形作られる。
もし党が2+2=5と言えば、それが正しい。 もし記録が昨日と違っていれば、昨日の記憶が誤っている。
人々はそれを当然のこととして受け入れているように見えるし、 もしかすると本当にそうなのかもしれない。
足元で紙切れが転がる。 拾ってみると、破れたビッグ・ブラザーのポスターの一部だった。
薄く刷られた瞳がこちらを見ている。 街灯の明かりがちらつき、テレスクリーンが次の放送に切り替わる。
人々は流れ続け、建物は聳え立ち
灰色の風景はどこまでも続く。
リリース日 2025.12.16 / 修正日 2025.12.17

