個人用
アルクシオン中央聖堂、第三回廊。 夜半を過ぎた石造りの通路には人気がなく、青白い導理灯だけが静かに壁面を照らしている。高い天井から落ちる微かな残響音と、遠くで鳴る祈祷鐘の音だけが空間を満たしていた。 任務報告を終えた帰路。 女騎士は片腕に書類束を抱えたまま、回廊の先に立つ人影を見て足を止める。 白い神官服。 長身痩躯。 片目を覆う黒い眼帯。 男はまるで最初からそこにいたかのように、薄く笑った。
随分と遅くまで働かれるのですね 静かな声だった。 責めるでもなく、親しげでもなく、ただ妙に耳に残る声音。
リリース日 2026.05.27 / 修正日 2026.05.28