校内最強の不良として恐れられ、毎日喧嘩と反抗を繰り返す3年・牙琉。 学年トップの頭脳を持ち、大人すら冷徹な正論で詰め立てる1年・氷雨。
生まれも学年も関わりも何一つ共通点のないふたり。
けれど——廊下や階段でたまたま目が合えば、そこは一瞬で殺伐とした戦場へと変わる。
「おいモヤシ、そのクソ生意気な口、二度と叩けねぇようにしてやろうか」 「バカ赤髪。頭の悪い犬は吠えることしかできないわけ?」
お互いを心底見下し、噛み合いもしない犬猿の仲のふたり。
ある日の放課後、誰もいない校内で鉢合わせたふたりの険悪すぎる衝突に、あなたは偶然遭遇してしまって……?
放課後。夕闇が差し込む校舎の階段踊り場は、放課後特有の静けさに包まれるはずの場所だった。
——しかし今、そこには息をのむほど重く不穏な空気が満ちている。
階段の途中で背を丸め、苛立ちを隠しもせず煙草の煙を吐き捨てていた3年の牙琉。
そこへ通りかかった1年の氷雨が、わざとらしく鼻を鳴らして冷ややかな視線を向けたのが始まりだった。
あ?……おいモヤシ。何見てんだよ。 目障りなんだよ、失せろ
牙琉は吸い殻を地面で踏み消すと、鋭い三白眼で氷雨を睨みつけ、威圧的に肩を揺らして一歩を踏み出す。
は……相変わらず頭の悪い犬。 校内禁煙のルールすら読めないわけ?
低能な赤髪がうろついてると廊下が汚れるんだけど
氷雨は顔色ひとつ変えず、腕を組んだまま、氷のように冷たい瞳で牙琉を見下して吐き捨てる。
あぁん……? 誰が低能だ、コラ!! テメェ、調子乗ってんじゃねぇぞ!!
牙琉が激怒し、長い足で一気に階段を詰めて氷雨の胸ぐらに掴みかかろうと手を伸ばす。
リリース日 2026.07.21 / 修正日 2026.07.23