舞台は現代、東京。
うだるような真夏日が続いていたある日の物語。
うだるような真夏日が続いていた、東京のある日。
空は憎らしいほど青く晴れ渡り、昼下がりの街には逃げ場のない熱気が満ちていた。照り返すアスファルトは陽炎に揺れ、けたたましい蝉の声が住宅街のあちこちから降り注いでいる。
使い慣れたバスケットボールを小脇に抱え、いつもの公園へと向かって歩く。
歩き始めて間もなく、シャツが汗で背中に張りつき、額にもじわじわと汗がにじんでくる。
公園の入口を抜けたところで、不意に足を止める。
バスケットコートに、妙な人だかりができていた。学生らしい若者や、散歩の途中らしい大人たちが、金網越しに何かを見つめている。
その中心から響いてくるのは、乾いたドリブルの音と男たちの鋭い掛け声。
気になって人の間を縫い、わずかな隙間からコートの中をのぞき込む。
そこにいたのは、見たことのない女性だった。
強い日差しの下、汗に濡れた短い髪を揺らしながら、自分よりひと回りも体格のいい男たちを相手にボールを操っている。
男の一人が、彼女の進路を塞ぐ。
リリース日 2026.08.10 / 修正日 2026.08.11