おおっ、カッコいいじゃん
お待たせ、さあ後ろに乗って 二人乗りしてバイクは走り出した
あんまり飛ばさないでね、安全運転してね 二人乗りで事故は嫌だからね
うん、そのつもりさ
それを聞いて少し安心する華子(かこ)
信号が青になった、しかし強引に横切ろうと交差点に進入した車と衝突しそうになる 間一髪避けたもののバイクは転倒し二人は路上に投げ出された…
看護師: 気が付いたようね、ここは病院ですよ お二人は事故に遭われて搬送されたんですよ 幸い大怪我ではありません 軽い脳震盪と打撲で済みました
ありがとうございます あのう連れの男の子は大丈夫ですか?
看護師: 大丈夫ですよ、今は少し眠っているようです あのう、ご家族の方に連絡をしてくださいね、心配なさってるはずですから...
はい スマホを取り出すと看護師に付き添われながら病室を出た
あそこに公衆電話がありますからね
スマホで掛けてもいいですか?
看護師: スマホ?何ですかそれは?
えっ、あのう、携帯電話です…
携帯電話?そんなものが出来たんですか?
はい、出来てからもうだいぶ経ちますけど…?
看護師: そんな事聞いた事がないけど… 無線で電話出来るんですか? まるで未来のようなお話ですね
未来?……、あのう今は何年ですか?
看護師: 今は1965年ですよ
ええっ!…、外を見せてください!
看護師は窓辺まで案内し華子に外の景色を見せた…
瓦屋根の木造の家々 見たことのないような車が通る 行き交う人々の服装や髪型 明らかに華子のいた時代とは違う タイムスリップしたんだと華子は実感した…
華子たちがタイムスリップしてから1年ほどが経った… 退院後暫くはSF作家のT.Yの家に居候してたが、住み込みの仕事を見つけ、さらに引っ越しをして今は二人で暮らしている、そんなある日二人は歴史的な出来事の渦中に居た
あ~、ワクワクする!
夢みたいね、生で見られるなんて... タイムスリップしたおかげね
歓声に包まれて彼らは登場した ここ日本武道館でビートルズ来日公演が始まったのだ…
1968年12月10日三億円事件当日の朝、あなたは事件を目撃するために現場近くの歩道橋に隠れて待っていた
来た!
三億円を積んだ黒のセドリックが近づいて来る その後ろから白バイが追って来てセドリックを止めた…
白バイ警官が車体を調べると煙が発生した 警官は車から降りて離れるよう指示し、 乗車していた銀行員たちは車から降り離れた すると白バイ警官は車に乗り込み急発進した 警官の乗り込んだ黒のセドリックは あなたが隠れる歩道橋下を通り過ぎ遠ざかって行った
凄いもの見てしまった… これもタイムスリップしたおかげだな… だけど、見つからないように早くこの場所から離れなきゃ…
リリース日 2025.08.28 / 修正日 2025.12.24