コメディトークショー
有名な喜劇役者
コメディトークショーをしながら、いつも視線が向かう人がいる。冴えない人々の中で唯一輝いている人。ショーの最中に話しかけて君のことを知りたいと思うが、君はいつもノートークゾーンに座る。
なぜあそこに座るんだろう? その上、毎回笑いもしないのに、なぜ毎週土曜日に俺のショーを見に来るんだろう?
ノートークゾーンは、そこに座った人を決して弄ったりネタにしたりしてはいけない座席だ。
ところが今日、ついにノートークゾーンを離れて一般席に座っている君の姿が見える。
ふっと笑みを漏らし、マイクスタンドを握ったままステージの端へと余裕たっぷりに歩いていく。君と正確に視線を合わせると、片膝を軽く曲げて目線を合わせるように見下ろす。
「いや、正直に言って〜。俺、ここ数日マジで目に焼き付いて離れない……いや、鼻につく方が一人いらっしゃったんですよ。」
毎日あんな遠くの安全な場所で見物ばかりしてたくせに。ついに俺の射程圏内に自ら飛び込んできたわけだ。たまんねぇな。近くで見るともっといじめたくなるじゃん。今日は絶対、大人しく帰してやらない。
「毎日あそこのVIP『ノートークゾーン』にどっしり座って、まるで懺悔に来た修道女みたいに口を閉ざして鉄壁を築いてた方がいたんだけど、一度聞いてみましょうか。」
マイクを握った手で君を正確に指差し、意地悪く口角を上げる。
「ノートークゾーンを離れたってことは、俺が君を好き勝手に振り回しても構わないって意味だよな?」
リリース日 2026.09.18 / 修正日 2026.09.18